研修医の声 Vol.2 02.東海大学医学部付属病院を選んだ理由

皆さんが研修先として当院を選んだ理由をお聞かせください。他の大学の学生をしていた時と比べてどんな感じがあったか。

佐野:母校の愛知医科大学での臨床実習の印象では、大学病院とは言え、市中病院のような症例がここと変わらず、ここと比べると重症は少なく、コモンが多かった。学生時代から大学病院に行きたいと思っていて、東海大学を選んだ理由は、実家が神奈川なのもあり、いろいろな症例が診れて、この科はこの疾患が専門だからこの疾患しか診れませんというような大学病院ではないこと。救命救急科の先生が多く、システムも充実していて、ここだったら色々な症例も診て、重症例は研修医のうちは手が出るとは思いませんが、上の先生たちが重症な患者さんが来たとき、どういうことをして、どういった鑑別をあげるのか経験できたらいいなと思い、決めました。

白岩:少し類似している点もありますが、もともと学生の頃から血液や内分泌、腎臓といった分野に興味があり、将来は研究にも足を踏み入れていきたいことを考えて、市中病院よりは大学病院でと思っていました。大学病院を中心に見学し、東海大学は雰囲気が良く、血液の分野もしっかりしているところを見させていただき決めました。それと地域医療のプログラムが魅力的で、ここに決め、学ばせていただいています。

実際に地域医療で諏訪中央病院ではコモンディジーズが多いんだよね?大学とは違いましたか?

白岩:すごく違いました。違う外因も見れたということで、2年間の研修の幅を広げるのにすごく大きな経験だったなと思います。

学生時代の地域医療実習はどこで行ったの?

白岩:七尾(石川県)の方で。能登までは行きませんが上のほうです。

それは一月?

白岩:いえ、1週間ぐらいです。プログラム的に稼動していません。東海大学の学生とは違って、他の病院に出ることがあまりなく、大学病院にいました。

学生のときに病院見学に来て、内科志望だし、いいかなと思って選んで、実際回ってみても予想通りだった?

白岩:予想よりも専門性が高かったです。

進んだ先で研究もしていきたいんだよね?

白岩:いずれ、そうですね。

平野君は?

平野:臨床はもちろんですが、もともと研究者になりたい夢があり、研究をやりたいと思っていました。最先端の研究といったら大学病院とずっと考えていたので、慣れ親しんだ東海大学に決めました。病院見学もほとんど行かず、最初から東海大学一本で考えていました。
先生たちはすごいアグレッシブな先生たちが多く、勉強になり、学生時に回った時と特に印象として変わったところはないです。

アグレッシブで学生として見てると。。

平野:教育熱心な先生が多く、教えてくださることも多く、雰囲気も良いです。クリクラで回った時もすごい大変だったというイメージもなく、研修医になっても変わらないです。毎日楽しく勉強しながら仕事をしています。

佐藤:見学に来たとき、僕が一番気になっていたのは他大学から来て、うまくとけ込めるのかどうかでした。受け入れてくれるような感じで接してもられたのが東海大学を選んだ大きな理由です。実際、研修をしてみて、同期だったり、指導医の先生も、むしろ他大学だからこそ興味をもってもらえて、かなり解け込みやすい環境だと実感しています。

大分大学は1学年100名をきってるの?

佐藤:僕の代は留年者がかなり出たので、90人位です。基本的に100人位です。

上原:正直、東海大学にしようと思った理由は実家が伊勢原だということが大きかったです。2人とは違って出身大学が同じ神奈川県内なので、クリクラで1ヶ月外病院に行くときに、ちょうど私の学年から東海大学も選べるようになり、こちらにお世話になりました。他の病院を回ったときよりもはるかに楽しくて、学生の姿勢であるとか、研修医の先生方がとても楽しそうにしているのを見て、いいなと思って、夏にもう一度見学に来ました。その時は救急を見学させていただいたのですが、症例も多く、本当みなさんが楽しそうにしている雰囲気が良くて、佐藤先生が言っていたように他大学の人がいても、閉鎖的ではなく、ストレスがなく入れるという感じが大きくて、こちらに決めました。

学生の時はクリクラは2週間?

上原:1ヶ月間腎臓内科を回っていましたが、半分は移植外科に回り、それもあって進路も移植外科に決めました。そこが最初のスタートでした。

もともとは外科志望だったんでしょ?

上原:外科がいいなと思っていましたが、性別的なこともあって、言い方は悪いですけど、男性社会なところが外科にはまだまだ残っていて。内科も考えていましたが、実際2ヶ月間、移植外科を回ったときは衝撃的で、手を動かすことも好きなので、移植外科でやっていきたいなと思いました。内科管理もある程度もちろんありますし、今があるって感じです。

クリクラで1ヶ月来なかったら東海に来なかった?

上原:そうですね。私の年で東海大学に行けるようになり、私が第1号で来て、それから毎年来ています。後輩も来ていて、続いて来ているのは嬉しいですね。感謝ですね。

中島:僕は市中病院か大学に残るかという選択で、アカデミックなことは初めのうちに勉強して、専科をとってから手技であったり、そういった経験的なものを踏まえていければと思い、初めのうちは色々な科で色々なアカデミックなものを見させてもらって、研修を深めていこうと大学病院を選択させていただきました。大学病院を選ぶ時は、他大に出ることも考えましたが、他の大学病院と比べて東海大学は悪いところはあまりありませんでした。
それは、大学に残って成長していくことで証明になっていくのかなと思います。自分の志望科や興味のある科の先生方がクリクラで回ったときから、見てくれて、声をかけてくださって、研修で回ることも楽しみにしてくださっていて。研修で回ったときには一生懸命教えてくださって、自分の中では大きかったと思っています。

良かった点、悪かった点が何か一つあれば。

中島:良かった点は、わからなくて困ることが日々あるのですが、自分の中で答えを見つけて、それを調べて、考え、その後、上の先生とディスカッションして、チーム内の答えだったり、自分のその症例においての答えだったりを模索していくその過程はすごく良かったです。たぶんどの病院もそうなのかもしれないですけど、東海大学に残ってよかったなと思います。

こういうところを改善したら良いのかなという点は?

中島:何科を回っても悪かったなと思う科はありませんが、自分の苦手だったり、知らなかったことがわかると楽しかったです。その中でも解き方というか、感染症でいえば、基本的な背景であったり、臓器であったり、微生物であったり、その問題の捉え方、その疾患との向き合い方、その科との向き合い方の基本を教えてもらいました。色々な科でも継続して行われて、その先生のもとを離れてからも自分一人で演習して、実際に診療に活かせたことが自分の中では大きかったと思っています。学ばせていただいたことがあの時の自分に活きているんだなと色々な科で感じています。将来の志望する科であったり、来年から志望する病院に直結しているのかなと思います。

上原:私はこの病院に来て本当に良かったと思っていて、正直嫌だったら帰ろうと思っていました。私の母校は戻ってくるようなメンバーが多いところなので。それもあって外に出てみようと思っていたところもあります。大学に残っている人たちの話を聞いても私はここにきて良かったなと胸を張って言えます。

佐藤:良くも悪くも人が足りない感じがあります。成長するうえで良いのかなと思うこともありますが、たまに病棟に僕しかいない時や、今は回っている呼吸器内科では火曜日の午後は病棟に僕しかいません。もし何かあれば外来に行けば先生はいるので、すぐに指示を出してくれ、他の科の先生も緊急な時は助けてくれるのですが。そのドキドキ感もありつつ成長もできています。

一人の時は学生も回ってきていると、学生の対応も先生が担当するの?

佐藤:学生はそういうときは担当症例の発表作りの時間に充てられていたりします。

簡単に言うと先生にサゼッションお願いします、とか先生に来たりしないの?

佐藤:発表をこんな感じで作ったので見てくださいとかはありましたけど。僕が直してもどうなのかなと。

平野くんはどうですか?

平野:確かに人がいなかったりすることもありますが、各世代に多くの先生がいるので、上の先生たちはエキスパートでその道の権威だったり、もちろん尊敬できますし、目標にもなります。
また、若い世代の先生たちも多くいるのがいいなと思います。身近な目標というか、たとえば3年目の先生を見ていて、自分が3年目にはできていなければいけないことなどを感じながら日々仕事ができます。研修医もすごく多いので、ちょっと困ったことがあったとき、たとえば血糖管理でわからないことがあると、腎代謝内科を回っている同期に聞くことができ、手技や点滴が入らなくて困ったときはすぐに上の先生が助けてくれて、恵まれた環境でよかったなと思います。

2年になったら今度は助けないといけないね。

平野:最初2年目の先生はすごくかっこよかった。

白岩:良かった点は、最初から内科志望だったので、自分から積極的に外科を取ろうという観点を持っていなかったので、外科が2ヶ月間、研修プログラムにあるのは良かったなと思います。なかったら自分からは1ヶ月ぐらい外科を取って済ませてしまっていたと思います。
2ヶ月間外科を研修できたのは良かったです。逆に外科を研修しないとなると、外科から学ぶことも多く、内科から外科にお願いすることも多く発生してくることがあると思うので、そういうことがきちんと見られたことはすごく大きかったと思います。
改善点は、研修医が多い分、1年生と2年生があまり関わる機会が発生しないことです。研修医の中でも違う科を回っていて時間が合わないというのもありますが、大人数になってくると集まる機会がないので、自分の症例を誰かと分け合ったりする機会が設けにくいところがあります。当直とかで外来をファーストタッチで見させていただくときに不安があったり、この症例はこれでよかったのか、3年目の先生としか話し合えなかったりするので、話し合える場が少しあれば研修生活で少しプラスになると思います。

症例をシェアする機会があればもっといいかもしれないということね。

白岩:自主的にやればいいんですけど、立ち上げるのも難しいことがあるので、何時にこれがやっているとか、何か機会があれば良いと思います。

佐野:東海大学で研修して、自分が想像していた研修医とちょっと違うところは、東海大学は屋根瓦式で、1年目の研修医の上には2年目の研修医ではなく、3年目の先生と、5~7年目の先生がついて3人1チームぐらいで当直していて、研修医が全て話を聞いて、画像に検査オーダーして、最後判断して帰しますということが一度もなかったので、すごく守られているなと思いました。安心して一人で患者さんの前に出て、患者さんの話を聞いて、自分なりに考え、上の先生にプレゼンして、上の先生は自分が見落としているところがあれば、診察を加えたり、話を加えたりして、見落としがないようにしてくれています。
ただ、守られてはいますが、他の市中病院の研修医に聞くと、忙しくて一晩に20人、30人回さないといけない外来をしているようで、3年目以降、自分がそういう場面に出くわしたときにどうなるのかなという不安はあります。

佐野:白岩さんも言っていたとおり、上の先生の数が足らなかったり、ドクターの数が症例に対して、若干足りないようなところが東海大学の特徴かなと思ったりします。その代わりいろんな症例を見ることができますし、手技もおなかいっぱいになるぐらいたくさんありますが、忙しくて時間がなかなかとれず、研修医同士がディスカッションする機会があまりありません。話し合いをしないわけではありませんが、これをやった時は気をつけたほうがいいよ、などと言われたことや、まとまって皆でお茶を飲みながら色々と話をする機会があまりないのかなと正直感じます。
たとえば、上の先生がその中にいて、ある症例に対して、先生の考え方や何か背景などをディスカッションしていく場があれば、もっといろいろな事を吸収できたのかなと思います。また、面白い症例を見た時は、自分一人しか吸収できないのはもったいないので、そういうのをシェアする場もできたらよいと思います。総合内科の先生が忙しい時間を割いて、そういった機会を設けてくれる時もありますが、決まった日時でやるのは仕事の都合上、研修医もそれぞれの科の仕事があるので、できないのもあるのかなと思います。

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