放射線治療科

GIO(一般目標)

放射線腫瘍医として放射線治療を主体とした適切ながん診療を実践するために、がん患者の心理面への配慮や、放射線治療の理論・方法・技術と、悪性腫瘍の診断や内科的治療・外科的治療を含むがん治療全般の知識を習得し、総合的な診断能力や適切な治療方針策定・実践能力、協調性と教育能力を兼ね備えた放射線腫瘍専門医になる。

SBOs(行動目標)

患者・医師関係

  • 患者と十分なコミュニケーションをとることができる。
  • がん告知を含め、インフォームドコンセントを実践することができる。
  • 守秘義務を果たし、プライバシーへの配慮ができる。

診療

  • 放射線治療計画に必要な身体所見をとることができる。
  • 放射線治療計画に必要な臨床情報(病歴、検査値、画像診断)を収集することができる。
  • 他科の医師と、患者の治療方針について話し合い、情報を共有することができる。
  • EBMに基づいた治療方針を立てることができる。
  • 適切な位置決めをすることができる。
  • コンピューターで最適な治療計画を作成することができる。
  • 放射線治療精度を確認し、継続・変更などの適格な指示を出すことができる。
  • 放射線治療中の急性反応、治療効果の所見をとることができる。
  • 指導医のもと、患者の状態によって治療方針の変更などを適格に判断することができる。
  • 放射線治療後の治療効果を判断することができる。
  • 外来患者の経過観察を行い、慢性有害事象の発症の有無を診断することができる。

教育能力

  • 医学生・臨床研修医に対して、診療を通して知識や手技を伝授できる。
  • 臨床研修医の臨床研究について指導できる。

協調性

  • 指導医に適切なタイミングでコンサルテーションができる。
  • 他診療科の医師やコ・ワーカーとコミュニケーションがとれる。
  • カンファレンスに参加し、症例呈示や自分の意見を述べることができる。

臨床研究

  • 臨床研究を立案し、実践することができる。
  • 学会で、臨床研究を発表することができる。
  • 臨床研究を学術誌に投稿できる。

LS(方略)

OJT(On the job training)

  • 外来診療において、各種の臓器がん症例について、各々1例~10例を担当し、診察・放射線治療計画・外来経過観察を行う。
  • 原則として、はじめの6カ月間は放射線治療科で、以降の1年間は画像診断科で研修し、
    その後の1年6カ月間は経験症例の状況や希望を勘案して決定する。
  • 希望に応じて、他施設での研修も行う。

勉強会

  • 放射線治療計画症例カンファレンス: 毎週火曜日と金曜日 17時00分より
    新たな症例に対して、放射線治療計画および患者の状況について各職種が参加し個別に検討する。
  • 放射線治療M&Mカンファレンス: 毎月1回第1火曜日 17時00分より
    放射線治療症例について、予期せぬ事例やグレード3以上の有害事象、死亡例について検討する。
  • 放射線治療スタッフ会議: 毎月1回火曜日 15時00分より
    放射線治療に関わる全ての職種(医師・放射線治療技師・医学物理士・看護師・メディセク・医療事務)と診療に関して検討する。
  • QA小委員会: 毎月1回火曜日 16時00分より
    放射線治療に関わるインシデント・アクシデントやQAについて検討する。
  • 領域勉強会: 隔週火曜日 昼12時30分より
    放射線治療や癌に関する知識整理や論文紹介、研究方針に関し勉強する。
  • 指導医によるミニレクチャー: 随時
    各臓器担当医が専門領域の放射線治療についてレクチャーする。
  • 他科とのカンファレンス:
    耳鼻科カンファレンス  毎週、月曜日(17時00分より)
    口腔外科カンファレンス 毎週、月曜日(17時00分より)
    キャンサーボード     毎月、第4火曜日(18時00分より)
    婦人科カンファレンス  毎月、第2火曜日(18時00分より)
    乳腺カンファレンス   毎月、第1水曜日(18時00分より)

学術活動

臨床研究

  • 教育セミナー
    日本放射線腫瘍学会夏季セミナー・生物学セミナー・物理学セミナーに参加し受講する。
  • 国内学会
    日本放射線腫瘍学会、日本医学放射線学会、日本癌治療学会の各総会または部会において参加し発表する。
  • 国際学会
    米国放射線腫瘍学会(ASTRO)または北米放射線学会(RSNA)、欧州放射線腫瘍学会(ESTRO)に参加し、国際的な雰囲気に慣れ、見聞を広める。
  • 論文作成
    学会において発表した症例報告および臨床研究を論文として執筆する。

資格取得

  • 放射線科専門医(日本医学放射線学会認定)
    臨床研修3年目で取得する。放射線治療のみならず、画像診断、核医学、IVRなどの放射線科学全般にわたる幅広い知識と経験を要し、筆記試験により資格を得る。
  • 放射線治療専門医(日本医学放射線学会および日本放射線腫瘍学会合同認定)
    放射線科専門医取得後2年以上の研修を受け取得する。放射線腫瘍学に関する深い専門知識と高い水準の放射線治療技術を要し、筆記試験、口頭試験により資格を得る。

平成30年度からは専門医機構による新たな認定プログラムへ変更となる。

EV(評価)

  1. 1.当科で作成した、到達目標チェックシートを用い、自己評価しデータベース化する。
  2. 2.6カ月毎に、指導医のチェックを受け、不足項目を随時補う。

診療実績

2015年

  1. 1.放射線治療部門の新規患者数(新患実人数):890
  2. 2.放射線治療患者実人数(新患+再患):1,004
  3. 3.腔内照射を開始した実人数(新患+再患):27
  4. 4.腔内照射を実施した延べ件数:71
  5. 5.組織内照射を実施した延べ件数:0
  6. 6.全身照射を実施した実人数(新患+再患):26
  7. 7.定位(体幹部)照射を実施した実人数(新患+再患):8
  8. 8.IMRT照射を実施した実人数(新患+再患):89
    うち前立腺を照射した実人数(新患+再患):74
    うち中枢神経を照射した実人数(新患+再患):2
  9. 9.原発巣別新規患者数(新患実人数):
    1. (1)脳・脊髄:8
    2. (2)頭頸部(甲状腺を含む):81
    3. (3)食道:127
    4. (4)肺・気管・縦隔:127
      うち肺:107
    5. (5)乳腺:187
    6. (6)肝・胆・膵:8
    7. (7)胃・小腸・結腸・直腸:42
    8. (8)婦人科:46
    9. (9)泌尿器系:92
      うち前立腺:84
    10. (10)造血器リンパ系:56
    11. (11)皮膚・骨・軟部:8
    12. (12)その他(悪性):14
    13. (13)良性:0
    14. (14)15歳以下の小児例:8

問い合わせ先

担当:秋庭 健志(あきば たけし)

TEL0463-93-1121(内線2413、PHS5302)

takiba@is.icc.u-tokai.ac.jp