研修カリキュラム

プログラムの概説

本専門研修プログラムでは、医師としてまた産婦人科医としての基本的な診療技術、幅広い知識を習得し、婦人科腫瘍、周産期、女性のヘルスケア、生殖医療、内視鏡手術、さらに神奈川西部地区の医療過疎地における地域医療での連携施設での研修により、幅広く、より高度な知識・技能を持つことが可能となる。研修終了後は、神奈川西部地区のみならず地域医療の担い手として、神奈川県も含めた希望する施設で就業することが出来る。さらに専門研修施設群における専門研修後のみならず、研修中から、大学院への進学も可能で、さらにサブスペシャリティ領域の専門医の研修を開始する準備にも最適な環境が整っているため、スムーズに個々のスキルアップを図ることが出来る。

2.専門研修の目標

1 専門研修後の成果(Outcome)

専門研修修了後の産婦人科専門医は、生殖・内分泌領域、婦人科腫瘍領域、周産期領域、女性のヘルスケア領域の4領域にわたり、十分な知識・技能を持ち、標準的な医療の提供を行う。また、産婦人科専門医は必要に応じて産婦人科領域以外の専門医への紹介・転送の判断を適切に行い、産婦人科領域以外の医師からの相談に的確に応えることのできる能力を備える。産婦人科専門医はメディカルスタッフの意見を尊重し、患者から信頼され、地域医療を守る医師である。

2 到達目標(修得すべき知識・技能・態度など)

(1)専門知識

資料1「産婦人科専門研修カリキュラム」(PDF:240KB)PDFファイルを開きます

各項目には必須項目、努力項目などの要求水準がある。なお各年次ごとの研修方法・到達目標の目安については、「3.専門研修の方法 4 専門研修中の年次毎の知識・技能・態度の修練プロセス」に記載されている。

  1. 1.総論
    女性生殖器の発生、解剖、生理、病理、さらに、胎児・新生児の生理・病理を理解する。また、女性生殖器と関連の深い臓器についても十分に理解する。
  2. 2.生殖・内分泌領域
    排卵・月経周期のメカニズム(視床下部―下垂体―卵巣系の内分泌と子宮内膜の周期的変化)を十分に理解する。その上で、排卵障害や月経異常とその検査、治療法を理解する。生殖生理・病理の理解のもとに、不妊症、不育症の概念を把握する。妊孕性に対する配慮に基づき、適切な診療やカウンセリングを行うのに必要な知識を身につける。また、生殖機能の加齢による変化を理解する。
  3. 3.周産期領域
    妊娠時、分娩時、産褥時等の周産期において母児の管理が適切に行えるようになるために、母児の生理と病理を理解し、保健指導と適切な診療を実施するのに必要な知識を身につける。
  4. 4.婦人科腫瘍領域
    女性生殖器に発生する主な良性・悪性腫瘍の検査、診断、治療法と病理病態を理解する。性機能、生殖機能の温存の重要性を理解する。がんの早期発見、とくに、子宮頸癌のスクリーニング、子宮体癌、卵巣癌の早期診断の重要性を理解する。
  5. 5.女性のヘルスケア領域
    女性の思春期から老年期までのライフステージに特有な心身にまつわる疾患を予防医学的観点から包括的に取り扱うことのできる知識を身につける。

(2)専門技能(診察、検査、診断、処置、手術など)

資料1「産婦人科専門研修カリキュラム」(PDF:240KB)PDFファイルを開きます

経験すべき症例数や手術件数については、資料2「修了要件」(PDF:133KB)PDFファイルを開きますに数値目標が設定されている。また、各年次ごとの研修方法・到達目標の目安については、「3.専門研修の方法 4専門研修中の年度毎の知識・技能・態度の修練プロセス」に記載されている。

  1. 1.総論
    下の診察と所見の記載ができる。
    • a.視診
    • b.双合診、直腸診等の触診
    • c.新生児の診察
    • d.その他の理学的診察
    • e.経腟・経腹超音波検査
  2. 2.必要な検査をオーダーし、その結果を理解し、診療することができる。検査結果をわかりやすく患者に説明することができる。
    • a.一般的検査
    • b.産婦人科の検査
  3. 3.基本的治療法・手技について適応を判断し、実施できる。
    • a.呼吸循環を含めた全身の管理
    • b.術前・術後管理(摘出標本の取り扱い・病理検査提出を含む)
    • c.注射、採血
    • d.輸液、輸血
    • e.薬剤処方
    • f.外来・病棟での処置
  4. 4.救急患者のプライマリケアができる。
    • a.バイタルサインの把握、生命維持に必要な処置 
    • b.他領域の専門医への適切なコンサルテーション、適切な医療施設への搬送
  5. 5.産婦人科領域の処置、手術ができる。(資料2「修了要件」(PDF:133KB)PDFファイルを開きます
    • a.正常分娩の取り扱い
    • b.異常分娩への対応
    • c.帝王切開の執刀・助手
    • d.腹式単純子宮全摘術の執刀
    • e.その他の基本的腟式、腹式、腹腔鏡下手術の執刀または助手
    • f.生殖医療における処置の担当(術者)、助手または見学
  6. 6.患者の特性を理解し、全人的にとらえ、患者、家族、医療関係者との信頼関係を構築し、コミュニケーションを円滑に行うことができる。
    • a.家族歴、既往歴聴取、回診時における患者とのコミュニケーション
    • b.患者、家族へのInformed Consent(IC)
    • c.他の医師やメディカルスタッフの意見の尊重

(3)学問的姿勢

医学・医療の進歩に遅れることなく、常に研鑽、自己学習する。患者の日常的診療から浮かび上がるクリニカルクエスチョンを日々の学習により解決し、今日のエビデンスでは解決し得ない問題は臨床研究に自ら参加、もしくは企画することで解決しようとする姿勢を身につける。学会に積極的に参加し、基礎的あるいは臨床的研究成果を発表する。得られた成果は論文として発表して、公に広めると共に批評を受ける姿勢を身につける。

(4)医師としての倫理性、社会性など

1) 医師としての責務を自律的に果たし信頼されること(プロフェッショナリズム)

医療専門家である医師と患者を含む社会との契約を十分に理解し、患者、家族から信頼される知識・技能および態度を身につける。

2) 患者中心の医療を実践し、医の倫理・医療安全に配慮すること

患者の社会的・遺伝学的背景もふまえ患者ごとに的確な医療を実践できる。医療安全の重要性を理解し、事故防止、事故後の対応がマニュアルに沿って実践できる。また、インシデント・アクシデントレポートの意義、重要性を理解し、これを積極的に活用する。インシデントなどが診療において生じた場合には、指導医とともに報告と速やかな対応を行い、その経験と反省を施設全体で共有し、安全な医療を提供していく。

3) 臨床の現場から学ぶ態度を修得すること

臨床の現場から学び続けることの重要性を認識し、その方法を身につける。本専門研修プログラムでは、知識を単に暗記するのではなく、「患者から学ぶ」を実践し、個々の症例に対して、診断・治療の計画を立てて診療していく中で指導医とともに考え、調べながら学ぶプログラムを作成している。また、毎週行われる症例検討会や腫瘍・周産期カンファレンスでは個々の症例から幅広い知識を得たり共有したりすることからより深く学ぶことが出来る。

4) チーム医療の一員として行動すること

チーム医療の必要性を理解し、チームのリーダーとして活動できる。的確なコンサルテーションができる。他のメディカルスタッフと協調して診療にあたることができる。本専門研修プログラムでは、指導医とともに個々の症例に対して、他のメディカルスタッフと議論・協調しながら、診断・治療の計画を立てて診療していく中でチーム医療の一員として参加し学ぶプログラムを作成している。また、毎週行われる症例検討会や腫瘍・周産期・生殖カンファレンスでは、指導医とともにチーム医療の一員として、症例の提示や問題点などを議論していく。

5) 後輩医師に教育・指導を行うこと

自らの診療技術、態度が後輩の模範となり、また形成的指導を実践できる。本専門研修プログラムでは、基幹施設においては指導医と共に学生実習の指導の一端を担うことで、教えることが、自分自身の知識の整理につながることを理解する。また、連携施設においては、後輩医師、他のメディカルスタッフとチーム医療の一員として、互いに学びあうことから、自分自身の知識の整理、形成的指導を実践する。

6) 保健医療や主たる医療法規を理解し、遵守すること

健康保険制度を理解し保健医療をメディカルスタッフと協調し実践する。医師法・医療法(母体保護法[人工妊娠中絶、不妊手術])、健康保険法、国民健康保険法、老人保健法を理解する。診断書、証明書が記載できる(妊娠中絶届出を含む)。

3 経験目標(種類、内容、経験数、要求レベル、学習法および評価法等)

本専門研修プログラムでは、基幹施設である東海大学において、婦人科腫瘍、周産期、女性のヘルスケア、生殖医療、腹腔鏡下手術と十分な症例数があり、基幹施設、連携施設での途切れない研修で専門研修期間中に経験すべき疾患・病態は十分に経験することが出来る。また高度な医療を幅広く行なえる基幹病院の東海大学医学部付属病院に加えて、分娩症例も豊富な上に不妊治療、腹腔鏡下手術などを中心に行っている新百合ヶ丘総合病院、4領域すべてに高度な治療が出来ることを強みとして地域医療に貢献している済生会横浜市東部病院、地域医療として産婦人科一般臨床が可能な平塚市民病院、東海大学医学部付属八王子病院、医療過疎地域における地域医療の中核病院としての伊勢原協同病院、海老名総合病院など幅広い連携施設がある。これらの特徴ある連携施設群においては、地域中核病院・地域中小病院などで地域医療から様々な疾患に対する技能を経験することが出来るようにローテート先を個々の専攻医によって決めていく。

(1)経験すべき疾患・病態

資料1「産婦人科専門研修カリキュラム」(PDF:240KB)PDFファイルを開きます

(2)経験すべき診察・検査等

資料1「産婦人科専門研修カリキュラム」(PDF:240KB)PDFファイルを開きます

(3)経験すべき手術・処置等※1

資料2「修了要件」(PDF:133KB)PDFファイルを開きます

本専門研修プログラムの基幹施設では、研修中に必要な手術・処置の修了要件の3倍以上の症例を経験することが出来る。症例を十分に経験した上で、上述したそれぞれの連携施設では、施設での特徴を生かした症例や技能を広くより専門的に学ぶことが出来る。

  1. 1.分娩症例150例以上、ただし以下を含むd.についてはb.c.との重複可)
    • a.経腟分娩;立ち会い医として100例以上
    • b.帝王切開;執刀医として30例以上
    • c.帝王切開;助手として20例以上
    • d.前置胎盤症例(あるいは常位胎盤早期剥離症例)の帝王切開術執刀医あるいは助手とし て5例以上
  2. 2.子宮内容除去術、あるいは子宮内膜全面掻爬を伴う手術執刀10例以上(稽留流産を含む)
  3. 3.腟式手術執刀10例以上(子宮頸部円錐切除術、子宮頸管縫縮術を含む)
  4. 4.子宮付属器摘出術(または卵巣嚢胞摘出術)執刀10例以上(開腹、腹腔鏡下を問わない)
  5. 5.単純子宮全摘出術執刀10例以上(開腹手術5例以上を含む)
  6. 6.浸潤癌(子宮頸癌、体癌、卵巣癌、外陰癌)手術(執刀医あるいは助手として)5例以上
  7. 7.腹腔鏡下手術(執刀あるいは助手として)15例以上(上記4、5と重複可)
  8. 8.不妊症治療チーム一員として不妊症の原因検索(問診、基礎体温表判定、内分泌検査オーダー、子宮卵管造影、子宮鏡等)、あるいは治療(排卵誘発剤の処方、子宮形成術、卵巣ドリリング等)に携わった(担当医、あるいは助手として)経験症例5例以上
  9. 9.生殖補助医療における採卵または胚移植に術者・助手として携わるか、あるいは見学者として参加した症例5例以上

※1施設群内の外勤等で経験する分娩、帝王切開、腹腔鏡下手術、生殖補助医療などの全ての研修はその時に常勤している施設の研修実績に加えることができる。

(4)地域医療の経験(病診・病病連携、地域包括ケア、在宅医療など)

地域医療の経験のためには、産婦人科専門研修制度の他の専門研修プログラムも含め基幹施設となっていないことと産婦人科医が不足している地域の施設であることを満たす施設で1か月以上の研修を行うことを必須とする。ただし、指導医のいない施設(専門医の常勤は必須)での研修は12ヶ月以内とし、その場合、専攻医の研修指導体制を明確にし、基幹施設や他の連携施設から指導や評価を行う担当指導医を決める。担当指導医は少なくとも1-2か月に1回は訪問しその研修状況を確認し、専攻医およびその施設の専門医を指導する。本専門研修プログラムの連携施設には、その地域における地域医療の拠点となっている施設(地域中核病院、地域中小病院)としての東海大学医学部付属八王子病院、済生会横浜市東部病院、平塚市民病院、新百合ヶ丘総合病院、伊勢原協同病院、海老名総合病院など幅広い連携施設が入っている。そのため、連携施設での研修中に以下の地域医療(過疎地域も含む)の研修が可能である。なお、連携施設(地域医療-生殖)での研修は、専門研修指導医のいない施設での研修12ヶ月以内に含める。
地域医療特有の産婦人科診療を経験や、地域での救急体制、地域の特性に応じた病診連携などを学んでもらう。例えば、妊婦の保健指導の相談・支援に関与する。子育てが困難な家庭を把握して、保健師と協力して子育て支援を行ったり、婦人科がん患者の緩和ケアなど、ADLの低下した患者に対して、ケースワーカー、看護師とチーム医療で在宅医療や緩和ケア専門施設などを活用した医療を立案し実践する。

(5)学術活動

以下の2点が修了要件に含まれている。

  1. 1.日本産科婦人科学会学術講演会などの産婦人科関連の学会・研究会で筆頭者として1回以上発表していること。
  2. 2.筆頭著者として論文1編以上発表していること。※1

※1産婦人科関連の内容の論文で、原著・総説・症例報告のいずれでもよいが、抄録、会議録、書籍などの分担執筆は不可である。査読制(編集者による校正を含む)を敷いている雑誌であること。査読制が敷かれていれば商業誌でも可であるが院内雑誌は不可である。ただし医学中央雑誌またはMEDLINEに収載されており、かつ査読制が敷かれている院内雑誌は可とする。本専門研修プログラムでは、日々の臨床の場での疑問点については、最新の知識をreview形式でカンファレンスでの発表を行いながら学ぶことを基本としている。その結果や貴重な症例については、指導医の下で、日本産科婦人科学会学術講演会、関東連合および神奈川県産婦人科学会学術集会を始め、日本婦人科腫瘍学会、日本女性医学会、日本生殖医学会、日本周産期・新生児医学会、日本産科婦人科内視鏡学会、日本産婦人科手術学会、日本臨床細胞学会、日本臨床遺伝カウンセリング学会、日本内分泌学会などでの学会発表や論文の形にしていく。

3.専門研修の方法

1 臨床現場での学習

  • 週1回以上の診療科におけるカンファレンスおよび関連診療科との合同カンファレンスを通して病態と診断過程を深く理解し、治療計画作成の理論を学ぶように指導する。
  • 月に1回以上は抄読会や勉強会を実施する。抄読会や勉強会は他の施設と合同で行う場合も考えられる。インターネットによる情報検索の指導を行う。
  • 子宮鏡、コルポスコピーなど検査の指導を行う。
  • 積極的に手術の執刀・助手を経験させる。その際に術前のイメージトレーニングと術後の詳細な手術記録を実行させる。
  • 手術手技をトレーニングする設備や教育DVDなどの充実を図る。
  • 2年目以降に外来診療が行えるように、ガイドラインなどを用いて外来診療のポイントを指導する。

指導医は上記の事柄について、責任を持って指導する。
本専門研修プログラムでは、6ヶ月以上、24ヶ月以内は原則として基幹施設である東海大学医学部付属病院産婦人科での研修を行い(1つの連携施設での研修も通算24ヶ月以内とする)、産婦人科医としての基本的な診療技術、幅広い知識を習得し、婦人科腫瘍、周産期、女性のヘルスケア、生殖医療、内視鏡手術などを学んでもらう。
研修方法は、知識を単に暗記するのではなく、個々の症例に対して、診断・治療の計画を立てていく中で指導医とともに考え、調べながら学ぶプログラムを作成している。
特に研修1年目には基幹施設において、毎週行われる症例検討会で手術症例や術後症例の経過や手術状況について発表してもらう。また、毎週行われる腫瘍カンファレンスでは、悪性腫瘍症例に対する症例提示、MRIなどの画像診断提示、術後腫瘍症例の病理標本を提示しながら、個々の症例から幅広い知識を得ることが出来る様にしている。毎週行われる周産期カンファレンスでは、1週間の産科症例、母体搬送症例などの症例提示を胎児心拍モニターや超音波検査結果などを提示しながら発表してもらい、個々の症例から幅広い知識を得ることが出来る様にしている。月に1回以上は、テーマを決めreviewする抄読会や勉強会を実施するし、最新の知識を学ぶことが出来るプログラムを作成している。また、毎週1回、研修医および専攻医を対象とした専門医(指導医)による講義(クルズス)を行っており、各領域の先輩からの直接指導も十分に受けることが出来る。
手術手技のトレーニングとしては、積極的に手術の執刀・助手を経験する。術前にはイメージトレーニングの実践を行い、術後に詳細な手術内容を記録する。初回の執刀の前には手術のイメージトレーニングが出来ているかどうかを指導医が試問し、それに合格した時点で執刀を許可する。東海大学産婦人科では、年2回は縫合・腹腔鏡下手術などのハンズオンセミナーなどを独自に開催しており腹腔鏡下手術の手技取得の為の練習器が婦人科病棟に2台置かれており、それらを用いた腹腔鏡下手術手技トレーニングを指導する。さらに教育DVDも用いて指導する。
検査として、内診、経腟超音波、胎児エコー、コルポスコピー、子宮鏡検査等の検査は、入院症例および外来診療において指導を受け、主治医として各種検査を行い、検査手技を取得する。
外来については、最初は予診と初診外来、再診外来のシュライバーとして見学および指導医の助手として学んでもらう。6か月後には、各専門外来(周産期、腫瘍、生殖医学、女性ヘルスケア)にも外来担当医(指導医)の助手として学んで行く。
2年次以後に外来診療が行えるように目標を持って研修をしてもらう。

2 臨床現場を離れた学習(本産婦人科専門医プログラムにおいて学ぶべき事項)

日本産科婦人科学会の学術集会(特に教育プログラム)、日本産科婦人科学会のe-learning、連合産科婦人科学会、各都道府県産科婦人科学会などの学術集会、その他各種研修セミナーなどの、下記の機会を利用して学習する。

  • 標準的医療および今後期待される先進的医療を学習する機会
  • 医療安全、感染症、医療倫理等を学ぶ機会
  • 指導法、評価法などを学ぶ機会

さらに、本専門研修プログラムでは、基幹施設および連携施設内で行われる医療安全・倫理セミナーならびに指導法、評価法を学ぶ機会に積極的に参加してもらう。また、年2回は縫合・腹腔鏡下手術などのハンズオンセミナーなどを独自に開催しており、これらのセミナーにも参加してもらう。また、基幹施設では、毎週1回、研修医および専攻医を対象とした専門医による講義(クルズス)を行っており、臨床現場を離れた学習も十分に行うことが出来る。

3 自己学習(学習すべき内容と、学習方法)

最新の「産婦人科研修の必修知識」を熟読し、その内容を深く理解する。東海大学医学部付属病院産婦人科では、1年目の専攻医には「産婦人科研修の必修知識」を購入して無料配布し、それを熟読するよう指導している。
また、産婦人科診療に関連する各種ガイドライン(婦人科外来、産科、子宮頸がん治療、子宮体がん治療、卵巣がん治療、生殖医療、ホルモン補充療法など)の内容を把握する。また、e-learningによって、産婦人科専攻医教育プログラムを受講することもできる。さらに、教育DVD等で手術手技を研修できる。

4 専門研修中の年度毎の知識・技能・態度の修練プロセス

(1)専門研修1年目

内診、直腸診、経腟超音波検査、経腹超音波検査、胎児心拍モニタリングの解釈ができるようになる。正常分娩を指導医・上級医の指導のもとで取り扱える。上級医の指導のもとで通常の帝王切開、子宮内容除去術、子宮付属器摘出術ができる。

(2)専門研修2年目

妊婦健診および婦人科の一般外来ができるようになる。正常および異常な妊娠・分娩経過を判別し、問題のある症例については指導医・上級医に確実に相談できるようになる。正常分娩を一人で取り扱える。指導医・上級医の指導のもとで通常の帝王切開、腹腔鏡下手術ができる。指導医・上級医の指導のもとで患者・家族へのICができるようになる。

(3)専門研修3年目

3年目には専攻医の修了要件全てを満たす研修を行う(資料2「修了要件」(PDF:133KB)PDFファイルを開きます)。帝王切開の適応を一人で判断できるようになる。通常の帝王切開であれば同学年の専攻医と一緒にできるようになる。指導医・上級医の指導のもとで前置胎盤症例など特殊な症例の帝王切開ができるようになる。指導医・上級医の指導のもとで癒着があるなどやや困難な症例であっても、腹式単純子宮全摘術ができる。悪性腫瘍手術の手技を理解して助手ができるようになる。一人で患者・家族へのICができるようになる。

5 研修コースの具体例と回り方

資料3「東海大学産婦人科専門研修コース」(PDF:926KB)PDFファイルを開きます

東海大学医学部付属病院産婦人科を基幹施設とする専門研修プログラムでは、6ヶ月以上は原則として基幹施設である東海大学医学部付属病院産婦人科での研修を行い、産婦人科医としての基本的な診療技術、幅広い知識を習得し、婦人科腫瘍、周産期、女性のヘルスケア、生殖医療、内視鏡手術などを学んでもらう。多くの専攻医は1年目に基幹施設である東海大学医学部付属病院産婦人科での研修を行うことになる。2年目以降は、プログラム統括責任者と相談して、東海大学医学部付属病院産科婦人科の専門研修施設群の各施設の特徴(腫瘍、生殖医学、腹腔鏡下手術、周産期医療、女性のヘルスケア、地域医療)に基づいたコース例に示したような連携施設での研修を行う。各専門研修コースは、各専攻医の希望を考慮し、個々のプログラムの内容に対応できるような研修コースを作成する。1年目の研修を連携施設から開始し、2年目以降に基幹施設での研修をすることも可能であり、プログラム統括責任者と相談して、各専攻医の希望で研修プログラムを決定していく。
本専門研修プログラムでは、専門医取得後には、「サブスペシャリティ産婦人科医養成プログラム」として、産婦人科4領域の医療技術向上および専門医取得を目指す臨床研修や、リサーチマインドの醸成および医学博士号取得を目指す研究活動も提示している。
なお、本専門研修プログラム管理委員会は、臨床研修部初期臨床研修管理室と協力し、大学卒業後2年以内の初期研修医の希望に応じて、将来産婦人科を目指すための初期研修プログラム作成にもかかわっている。

4.専門研修の評価

1 形成的評価

(1)フィードバックの方法とシステム

専攻医が、研修中に自己の成長を知るために、形成的評価を行う。少なくとも12ヶ月に1度は専攻医が研修目標の達成度と態度および技能について日本産科婦人科学会専攻医研修オンライン管理システムを用いて記録し、指導医がチェックし評価する(専門医認定申請年の前年は総括的評価となる)。態度についての評価には、自己評価に加えて、指導医による評価、施設ごとの責任者(プログラム統括責任者あるいは連携施設の責任者)による評価、看護師長などの他職種の意見を取り入れた上での評価が含まれている。

(2)(指導医層の)フィードバック法の学習(FD)

日本産科婦人科学会が主催する、あるいは日本産科婦人科学会の承認のもとで連合産科婦人科学会が主催する産婦人科指導医講習会において、フィードバックの方法について講習を行う。なお、指導医講習会の受講は、指導医認定のために必須である。さらに、東海大学医学部付属病院産婦人科に勤務している指導医は東海大学で行われる「医師の臨床研修に係る指導医講習会」を受講し、医師臨床研修指導医の認定を受けている。

2 総括的評価

(1)評価項目・基準と時期

項目の詳細は資料2「修了要件」(PDF:133KB)PDFファイルを開きますに記されている。総括的評価は専門医認定申請年(3年目あるいはそれ以後)の3月末時点で日本産科婦人科学会専攻医研修オンライン管理システムを用いての研修記録および評価、さらに専門研修の期間、形成的評価が決められた時期に行われていたという記録も含めて行われる。手術・手技については、専門研修プログラム統括責任者または専門研修連携施設担当者が、経験症例数に見合った技能であることを確認する。

(2)評価の責任者

総括的評価の責任者は、専門研修プログラム統括責任者である。

(3)修了判定のプロセス

専攻医は専門医認定申請年度には速やかに専門研修プログラム管理委員会に修了認定の申請を行う。本プログラム管理委員会は資料2「修了要件」(PDF:133KB)PDFファイルを開きますが満たされていることを確認し、4月末までに修了判定を行い、研修証明書を専攻医に送付する。専攻医は各都道府県の地方委員会に専門医認定試験受験の申請を行う。地方委員会での審査を経て、日本産科婦人科学会中央専門医制度委員会で専門医認定受験の可否を決定する。