移植外科

診療内容

1) 腎臓移植

当診療科では、主に慢性腎不全の患者さんに対して腎臓移植の手術とその後のフォローアップを行っております。本邦の腎臓移植の成績は近年下記のように向上しています。

2006年以降 1年生着率 5年生着率
生体腎 97.8% 92.8%
献腎(心停止)献腎(脳死) 93.9% 83.9%

慢性腎臓病末期の治療法には、腎臓移植と透析療法(血液透析、腹膜透析)がありますが、透析に比べて腎臓移植では、失われた腎臓の機能はほぼ回復し、生活の質を格段に向上させることができるだけでなく、生命予後も改善すると報告されています。当科では腎臓移植前後の外来診療のほかに、移植相談、献腎移植希望者の登録、移植待機中の管理を行い、経過中入院の必要な場合には、入院の上、検査や治療をおこなっています。

<生体腎移植>

腎臓を提供できる方は親族(配偶者を含む)で、自らの意思で腎臓の提供を希望されている方になります。腎臓を片側提供するので腎臓の機能が正常であることはもちろん、健康体であることが必要になります。
日本移植学会の倫理指針では、生体腎移植は夫婦間または親族間で行なうことが可能であり、親族とは、6親等以内の血族、3親等以内の姻族と定義されています。

<献腎移植>

献腎移植とは、亡くなられた方から腎臓を提供していただく移植のことです。献腎移植には心臓死からの移植と脳死からの移植があります。献腎移植を希望される場合には、臓器移植ネットワークにあらかじめ登録する必要があります。

<先行的腎移植>

慢性腎臓病で腎機能が低下した時期に、透析を行わずに腎臓移植をして治療をする方法を先行的腎臓移植といいます。腎臓移植の成績は、透析期間が短いほど良好であると報告されており、当科でも積極的に先行的腎移植を行う方針で考えております。

2) 献腎移植登録の手続き :

日本臓器移植ネットワークへの献腎移植登録を希望される方は、移植外科を受診していただき登録します。その際採血を行い血液型とHLA(組織型)などを調べさせていただきます。腎臓内科医が対応することもあります。

3) 慢性腎不全に関連する外科的疾患(透析バスキュラーアクセス手術、副甲状腺手術)

当科では、腎内分泌代謝内科と連携して、血液透析、腹膜透析に関連した、バスキュラーアクセス手術(シャント手術)、腹膜カテーテル手術などの外科的治療を行ないます。また、透析患者における、骨や石灰化に関係する合併症である腎性副甲状腺機能亢進症に対する副甲状腺手術を行っています。

主な対象疾患

  • 腎臓移植希望患者
  • ・現在透析を受けていて、腎臓移植を希望される方
    ・慢性腎不全と診断され透析か腎臓移植かを考慮されている患者さんの相談も行います。
  • 献腎移植登録を希望する患者
  • 腎性(二次性)副甲状腺機能亢進症
  • 透析バスキュラーアクセス(シャント)狭窄、閉塞

主な診療実績

 当科は、2012年度より新設された診療科ですが、東海大学医学部付属病院では、開院以来、約200例以上の生体腎、献腎移植の実績があり、拒絶反応、合併症などに対する治療を入院、外来にて行っています。 月に1~2件の腎移植を定期的に行なっております。

ご挨拶

移植外科は、2012年4月に新設された診療科ですが、当院での腎移植は1976年から行っています。外科学系移植外科が新設され、腎移植医療を、内科系との連携でより充実した体制で行えるようになりました。
初期の軽症の慢性腎臓病から、慢性腎不全となり透析療法をうけている患者さん、さらに腎移植をうけた患者さんなど、様々な段階の腎臓疾患の患者さんを、内科と外科が連携して同じ第一診療センターで診察し、外科的内科的合併症に対応しています。透析療法に至る前に腎移植を行う「先行的腎移植」も積極的に行っています。
腎移植の今後の課題は、いかに長期に移植腎機能を維持するかですが、それには高血圧、脂質代謝異常、糖尿病などいわゆる成人病といわれる合併症をしっかり管理することが重要です。当院の第一診療センターでは、移植外科医以外に腎代謝内科医・専門看護師が腎移植患者さんの診療に参加して、長期に移植腎機能を維持できるよう努めています。

移植外科 診療科長
中村 道郎

医師一覧

身分/医師名 専門分野/特に専門とする領域 専門医資格 外来診療日
教授/
中村 道郎
腎臓移植、透析合併症の外科治療
/生体腎移植、献腎移植、先行的腎移植、透析シャント血管合併症、 腎性副甲状腺機能亢進症の外科治療
日本外科学会専門医・指導医/日本透析医学会専門医・指導医/(日本内分泌甲状腺外科学会認定医/日本臨床腎移植学会認定医/日本移植学会移植認定医) 月(AM) 火(AM、PM) 木(AM)
助教/
石田 寛明
腎臓移植、泌尿器科疾患、透析合併症
/生体腎移植、献腎移植、透析シャント血管合併症、泌尿器科疾患
日本泌尿器科学会専門医/(日本臨床腎移植学会認定医) 金(AM)
助教/
滝口 進也
腎臓移植、透析合併症
/生体腎移植、透析シャント血管合併症
  土(AM)1、3、5週