腎・血液透析センター

概要

診療内容

透析医学会認定施設
最大同時透析能力 センター内15床(30名)
臨床工学技士:5名
センター外(出張用装置)13台(血漿交換等を含む)

※当センターでは原則として入院治療を要する患者さんのみを対象に血液透析等を行っています。
軽度腎機能障害から重症まで幅広い患者さんを対象に医療を行っています。末期慢性腎不全に対しては開院以来約6,000名の患者さんに入院治療を行っています。年間約100名の血液透析を導入しており、導入後は近隣の透析クリニックでの維持透析を紹介しています。また、シャントトラブルや骨病変、二次性副甲状腺機能亢進症などをはじめあらゆる内科的、外科的合併症を併発した透析患者さんについて関連各科と共に入院治療をおこなっており、神奈川県西部から静岡県東部地域における透析サテライトの透析患者さんに対する総合医療センターとしての役割を担っています。

主な対象疾患

慢性腎不全、急性腎障害
透析合併症、シャントトラブル、二次性副甲状腺機能亢進症、アミロイドーシス、透析困難症 透析患者の敗血症
多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、重症筋無力症、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、血栓性血小板減少性紫斑病、重度血液型不適合妊娠、ギラン・バレー症候群、多発性硬化症、天疱瘡、類天疱瘡、巣状糸球体硬化症、家族性高コレステロール血症、閉塞性動脈硬化症、潰瘍性大腸炎、クローン病に対するアフェレーシス療法。

主な診療実績

・腎不全治療

当センターには、血液透析・在宅透析・CAPD・腎移植など腎不全患者さんの生涯にわたる全ての治療について、豊富な知識と経験を積んだスタッフがそろっており、医師、看護師・臨床工学技士・栄養士・薬剤師・ソーシャルワーカーなどが綿密な協力体制をとって、トータルな医療サービスにつとめております。

・副甲状腺腫に対するPEIT療法、副甲状腺摘出術

維持透析患者さんにとって二次性副甲状腺機能亢進症によ る骨病変・心血管病変は、大きな合併症の一つです。当施設においては薬物療法でコントロールできない患者さんに対して、副甲状腺全摘術(PTx)の治療を行っております。(月)中村(移植外科)、(火)金井の専門外来に御相談頂く他、お急ぎの場合も随時、腎内分泌代謝内科初診外来で御紹介をお受けしております。

・バスキューラーアクセストラブル

バスキュラーアクセス(シャント)のトラブルに対し、手術、PTA等で対処しています。

・急性血液浄化療法

術後・外傷後などに生じる急性腎不全・多臓器不全の患者さんや薬物中毒・劇症肝炎・溶血性尿毒症症候群などの患者さんに対して24時間体制で年間800回以上の急性血液浄化療法を行っており、全国有数の症例数、救命率を誇っています。

・アフェレシス治療

血液透析療法では除去できない大きな分子量の蛋白質などが病因物質となる様々な疾患に対して、アフェレシス(apheresis)治療を行っています。

・腎移植

当院移植外科と連携することで、移植関連合併症や拒絶反応などに対する治療を入院、外来で行っており、年間20件以上の生体腎移植を行っています。献腎移植希望の患者さんには、日本腎移植ネットワーク(関東甲信越ブロック)への登録と組織適合性検査の受付を外来で行っています。

・家庭(在宅)透析

家庭透析は既に保険適用となった医療です。当院では患者さんのニーズに合わせて週末に通院しながら家庭透析のトレーニングを受けることができます。当院で家庭透析を始めた患者さんは、フルに社会復帰ができ、体調も良くなったと喜んでいます。

・腹膜機能低下を起こさないCAPD液の開発

専門医を含むチームで外来腹膜透析患者の診療に当っています。

ご挨拶

透析をはじめなければならない患者さんは年々増加し高齢化しています。とくに糖尿病をもっている方が多くなっており、透析を始めるころにはすでに生命に危険の及ぶ寸前となっている患者さんがいらっしゃいます。一方、透析を長く続けていてつらい合併症に苦しむ患者さんの個々の状態に寄り添って 治療していくのも我々の務めです。また、わが国でも増えつつある腎臓移植に関して、当院では我々スタッフ一同、移植外科と共に連携して治療に取り組むことで総合的な腎不全治療を実現しています。

腎・血液透析センター長
和田 健彦