認知症疾患医療センター

ご挨拶

 高齢社会を迎えた我が国では、「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推計では、2020年の65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%、約602万人 となっており、6人に1人程度が認知症であり、今後もさらに増加すると見込まれています。

 認知症疾患医療センターは、地域における認知症疾患の保険医療水準の向上を図ることを目的とし、都道府県および政令指定都市が指定した医療機関に設置されています。 当センターは、県内初の認定施設として2010年1月に開設されました。現在、当センターには、4人の認知症専門医が常勤しており、脳神経内科、精神科、脳神経外科等で連携して診療にあたると共に、認知症教育施設として認知症専門医の育成にも尽力しております。

認知症疾患医療センター長
永田 栄一郎

概要

主な業務は、以下の通りです。
 1.医療相談:認知症に関する医療および介護についての面接・電話相談
 2.診療:認知症の鑑別診断および合併症、周辺症状に対する診療
 3.技術援助:認知症をテーマとした研修会の開催
 4.医療連携協議会の開催:県高齢福祉課、医師会、地域包括センター、市町村の福祉担当者、
  施設および家族会の代表を交えての情報交換

 受診希望の方は、かかりつけ医からの診療情報提供書と事前の脳神経内科外来の予約をお取りください。特に、月・水・木曜日の脳神経内科初診外来は脳神経内科専門医に加え、認知症専門医を有する医師が担当しております。当日の診療状況に依っては、待ち時間が発生する場合がございます。時間には十分ゆとりをもってお見え下さい。認知症診断・治療には、併存疾患の状況、普段の御様子、生活歴等の情報が重要です。加えて認知症やその前段階(MCI:軽度認知障害)では、生活を支える周囲の方々の理解と対応が予防や進行を遅らせる上で、大変重要です。受診の際には、かかりつけ医からの診療情報提供書、お薬手帳をお持ち頂き、患者様御本人のことを良くご存じの御家族または近しい御関係の方と必ず同伴でお見え下さい。病状に応じて、精神科、脳神経外科等、必要な受診科と連携をもって診療にあたります。

 当センターは、認知症の鑑別診断に力を入れており、認知機能の評価とともに、MRIおよびSPECT等の画像診断をフル活用しながら鑑別診断を行い、神奈川県西部地区の認知症医療の中核として業務にあたっています。更に、高度救命救急センターを有する総合病院であることから、認知症に併存する身体疾患で御入院となった際には、認知症ケアサポートチームが早期介入し、認知症の方が安心して入院加療できるようサポートしています。