耳鼻咽喉科・頭頸部外科

診療内容

 耳鼻咽喉科・頭頚部外科では中耳炎、感音難聴、前庭疾患などの耳疾患、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などの鼻・副鼻腔疾患、扁桃などの咽頭疾患、声帯ポリープ、声帯結節などの喉頭疾患、リンパ節炎、甲状腺腫瘍などの頸部疾患、唾液腺疾患、そして喉頭癌、咽頭癌などの頭頸部悪性腫瘍と非常に広範囲の疾患を診療しております。外来および入院の診療は、スタッフ12名と臨床助手2名であたっております。年間外来患者数は約27,000人、そのうち初診患者数は約5,000人です。副鼻腔、鼻アレルギー、頭頸部腫瘍、中耳炎、顔面神経、めまい、耳鳴り、扁桃、小児難聴、嚥下外来など専門外来も数多く行っています。年間入院患者数は700名前後、年間手術件数は約1,000件です。

主な対象疾患

鼻・副鼻腔疾患

副鼻腔炎に対しては内視鏡下副鼻腔手術(ESS)を中心に行っています。ESSの有効率は約90%と良好な成績を収めています。クリニカルパス、短期手術入院センターを利用し5日の短期入院で手術を行っています。人工内耳手術を2022年から再開しました。

中耳炎・難聴疾患

症例に応じ、日帰り鼓膜形成術や5~7日間の入院で鼓室形成術を行っています。感音性難聴に対しては、補聴器外来(火曜午後)にて補聴器装用指導を行い、適切な補聴器の選択とフィッティングを行っています。

顔面神経疾患

原因不明の顔面麻痺(ベル麻痺)やウィルス性のハント症候群、外傷性麻痺などに対応しています。軽症例ではステロイドの内服、重症例では入院の上ステロイドおよび抗ウィルス薬の大量点滴を行っています。後遺症に対しても、当院リハビリテーション部の協力の下、ボツリヌストキシンを効果的に使ったリハビリ療法を行っています。

めまい疾患

めまい疾患全般に対して各種検査(ENG、VEMP、重心動揺検査)を用いて正確な診断を行 っています。難治性めまいに対しては週に一回外来でのめまいリハビリテーション指導を行っています。小 児のめまい、片頭痛のめまい、高齢者のめまいが近年増加傾向にあるのが特徴です。

頭頸部悪性腫瘍

疾患や進行度および年齢や体力などを考慮し、外科治療、放射線治療、化学療法などを選択し、単独あるいは組み合わせて行っています。毎週、放射線治療科と合同で頭頸部腫瘍カンファレンスを行い、入院、外来問わず患者さんごとに最も適した治療方法を検討しています。2022年度から頭頸部癌アルミノックス治療(光免疫治療)や咽頭喉頭癌に対するロボット支援下手術も開始しています。

主な診療実績

2022年度
  • 鼓室形成 52件
  • 鼓膜形成 14件
  • 顔面神経減荷術 9件
  • アブミ骨手術 4件
  • 聴神経腫瘍 3件
  • 外耳道腫瘍切除 2件
  • ESS 123件
  • 鼻中隔矯正術 54件
  • 下鼻甲介手術 92件
  • 鼻副鼻腔腫瘍摘出術 13件
  • 眼窩骨折整復術 0件
  • 扁桃摘出術 40件
  • 咽頭悪性腫瘍手術 50件
  • 口腔悪性腫瘍手術 17件
  • 喉頭悪性腫瘍手術 20件
  • 鼻副鼻腔悪性腫瘍手術 3件
  • 甲状腺悪性腫瘍手術 38件
  • 唾液腺悪性腫瘍手術 12件
  • 中下咽頭経口的切除 40件
  • 頚部郭清術 71件
  • 顎下腺腫瘍摘出術 9件
  • 耳下腺腫瘍摘出術 49件
  • 甲状腺(良性)腫瘍切除術 43件
  • リンパ節生検 60件
  • 良性のLMS 55件
  • 頸部良性腫瘍 9件
  • 嚥下改善・誤燕防止術 11件
  • 再建手術 13件

ご挨拶

耳鼻咽喉科は人間が社会の中でヒトとして生きていくために重要な機能を診療する専門家集団です。聴覚・嗅覚・味覚・平衡感覚などを扱う感覚器のエキスパートであると同時に、摂食嚥下・音声言語・呼吸などの機能と、それに必要な器官、つまり首から上の脳脊髄と眼球をのぞく耳・鼻・口腔・咽頭・喉頭・頸部の頭頸部全ての診療行為ができるのが耳鼻咽喉科です。日常生活を送る上で必要不可欠な感覚と機能を最大限温存し、改善し、患者さんの生活の質(QOL)を維持、向上させる専門家としての自負を持って診療にあたっています。

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 診療科長
大上 研二

医師一覧

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