麻酔科

診療内容

 手術の麻酔では、肺癌、食道癌といった胸部外科症例が多く、他施設と比較し、開胸および胸腔鏡下手術 時の分離肺換気麻酔を数多く行っています。また、術中全身麻酔下での画像診断(MRXO:MRI併用開頭 手術)、心臓カテーテル手術、内視鏡センターでの消化器内視鏡鎮静などの麻酔や、高度救命救急センターからの (ドクターヘリ運航による)昼夜を問わない緊急手術など、豊富な手術症例があり、常に多様性に富む麻 酔管理が行われています。
中央手術室は、病院棟3 階フロアの2/3を占め、約100m×50mの広さに21の手術室があります。1室に2台 の手術台を備えた部屋が2室、4台の歯科診療台を持つ部屋が1室あり、ハイブリッド手術室、MRXOを含め、 全27台の手術台を有しています。さらに手術室エリアに麻酔回復室4 床、隣接した短期入院手術センターの 麻酔科(術前診察)およびペインクリニック外来4 ブース、リカバリーベッド8 床+リラックスシート5席 を運用しています。手術室各室は仕様を統一し、どの部屋でも全ての診療科の手術が施行できるコンバーチ ブル運用を実現し、また、手術室エリアの出入りに際しては、着替え、履き替えを必要としない一足制を導 入することで、各種スタッフの円滑な活動、業務効率の向上、手術患者の迅速な入れ替え、効率的手術室運営 が可能となっています(写真1~3)。夜間、休日は常時2~3名の当直医により、365日24時間、対応できる 体制をとっています。

主な対象疾患

当院の各診療科で行われる手術や検査に必要とされる麻酔管理を行っています。すべての症例に対して安 全・最適の麻酔方法を選択し対応しています。当院における専門領域手術には、脳神経外科(脳腫瘍、脳血 管障害)、眼科(斜視、網膜疾患)、耳鼻咽喉科(鼓膜、鼓室、副鼻腔、喉頭、咽頭疾患)、消化器外科、 (食道、胃、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓疾患)、乳腺内分泌外科(乳腺、甲状腺疾患)、呼吸器外科(肺、縦隔 疾患、気胸)、心臓血管外科(弁、冠動脈、大動脈、末梢血管疾患)、移植外科、泌尿器科(腎、膀胱、前立 腺疾患)、整形外科(脊椎、脊髄疾患、外傷、変性疾患)、熱傷外科、救命救急科などがあり、それぞれに 必要とされる手術患者の全身管理を行っています。

主な診療実績

 診療はスタッフ14名、レジデント5名、臨床研修医7~11名で行い、2021年度の手術件数は12,244件 (うち麻酔科管理症例数は7,348件)で、全国の病院の中でもトップクラスの症例数を誇ります。スタッフの 大半は学会認定資格を有しており(日本麻酔科学会認定麻酔科指導医9名、日本専門医機構認定麻酔科専門医8名、認定医6名、心臓血管麻酔専門医1名、日本周術期経食道心エコー認定医1名、日本集中治療学会専門医1名、日本蘇生学会指導医1名)、日々、手術麻酔、集中治療、外来診療、病棟回診、若手医師の指導、学生教育、基礎・臨床研究を行っています。

紹介時のお願い

外来の予約については、短期入院手術センター受付(内線6351)までお問い合わせください。

ご挨拶

 当院麻酔科では ”効率的な手術室運営” をテーマに、全国に先駆け手術室の標準化とコンバーチブル運用、手術進捗管理システムの利用、手術室一足制の導入と併設する短期入院手術センターの構築、手術コーディネートナースの雇用などによる手術室環境の大幅な整備を行い、外来診療の充実による当日入院手術、日帰り手術の推進、手術件数の増加、在院日数の短縮化を目指すと共に、生体侵襲に対する周術期防御医学に精通した麻酔科医が院内の危機管理のリーダーとなって医療安全に大きく貢献できるよう、その役割の重要性を認識し、人材育成を行っています。

麻酔科 診療科長
鈴木 武志

医師一覧

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