小児外科

GIO(一般目標)

初期臨床研修を終えた医師が、小児一般外科専門医に必要なニーズを認識して小児患者を適切に診察し、基本的外科診療を実践するために、小児外科領域と消化器外科を中心とする外科一般領域における診療に参加し、小児外科診療に必要な基本的知識、基本的外科診療手技、適切な社会的倫理的判断に基づいた診療態度を修得する。

SBOs(行動目標)

  • チーム医療の一員としての適切な行動は何かを常に考える姿勢を体得する。
  • 小児外科診療に必要な知識は何かを常に考える姿勢を体得する。
  • 日常的小児外科疾患(鼠徑ヘルニア、腸重積、肥厚性幽門狭窄症、急性虫垂炎)について手術執刀を含む診療を指導医の監督下に行うことができる。
  • 小児の外傷、熱傷の適切な診療を指導医の監督下に行うことができる。
  • 新生児の適切な管理を指導医の監督下に行うことができる。
  • 外科的治療を要する小児患者およびその家族とのコミュニケーション能力を身につける。
  • 外科的治療を要する小児の診療に求められる社会的に必要な基本姿勢・態度を身につける。
  • 外科的治療を要する小児の診療に求められる倫理的に必要な基本姿勢・態度を身につける。
  • 成人外科診療に必要な知識は何かを常に考える姿勢を体得する。
  • 成人外科診療の基本的手技(止血法、包帯法、注射法、採血法、ドレーン・チューブ類の挿入と管理、創部消毒とガーゼ交換、切開・排膿、縫合)を実施する。
  • 成人外科領域における知識(輸液と輸血、創傷管理、栄養と代謝、外科的感染症、血液凝固と線溶現症、周術期管理、臨床免疫学、腫瘍学、外科病理学に関連する)を診療に応用する態度を体得する。
  • 成人外科診療における術前術後管理を指導医の監督下に行う。

習熟することが期待される手技・手術

成人外科において

術前術後管理、外傷縫合、鼠徑ヘルニア根治術、急性虫垂炎手術、痔核根治術、皮膚・皮下腫瘍摘出術、開腹閉腹、開胸閉胸、脊椎麻酔、基本的な全身麻酔手技、中心静脈カテーテル挿入、末期医療、緩和医療

小児外科において

小児輸液路確保、小児術前術後管理、外傷・熱傷管理、新生児管理、小児鼠徑ヘルニア根治術、腸重積非観血的整復術、小児急性虫垂炎手術、肥厚性幽門狭窄症手術

LS(方略)

OJT(On the job training)

臨床助手1年目

  • 小児外科チームの一員としてチーム医療に参加し、小児患者の医療面接・診療・治療を小児外科および小児科指導医のもとで次の業務を行う。
    • 小児外科外来を担当し、訪れる患者に対応する。
    • 入院および外来患者についての他科からの対診要請に、小児外科として対応する。
    • 小児救急外来を訪れる患者に対応する。
    • 小児外科入院患者の担当医となる。
  • 抄読会に参加して割り当てられた役割を果たす。
  • 指導医の下で神奈川小児腫瘍研究会、東京小児外科研究会、日本小児外科学会関東甲信越地方会などに参加・発表する。
  • 発表した演題を症例報告として指導医の下で論文を執筆する。

臨床助手2年目

成人外科の臨床助手1年のカリキュラムに従い、消化器外科・乳腺内分泌チームの一員としてチーム医療に参加し、成人外科指導医のもとで必要な業務を行う。

臨床助手3年目

  • 小児外科診療の責任を負う一員としてチーム医療に参加し、小児患者の医療面接・診療・治療を小児外科および小児科指導医のもとで次の業務を行う。
    • 小児外科外来を担当し、訪れる患者に対応する。
    • 入院および外来患者についての他科からの対診要請に、小児外科として対応する。
    • 小児救急外来を訪れる患者に対応する。
    • 小児外科入院患者の主治医となる。
  • 興味のある臨床研究テーマを指導医と共に発見し、研究プロトコールを作成する。
  • 抄読会に参加して割り当てられた役割を果たす。
  • 指導医の下で学会、研究会に参加・発表する。

EV(評価)

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研修プログラム終了後のコース

  1. 1.日本外科学会認定施設および日本小児外科学会認定施設でさらに研修し、日本外科学会専門医および日本小児外科学会専門医を取得
  2. 2.海外留学

診療実績

  1. 1.最近5年間の新生児外科症 例109例
    食道閉鎖症12例、横隔膜ヘルニア2例、腸閉鎖・狭窄症16例、腸回転異常症(疑い含む)3例、ヒルシュスプルング病(疑い含む)14例、直腸肛門奇形(鎖肛)20例、腹壁破裂・臍帯ヘルニア6例、腫瘍7例、肥厚性幽門狭窄症12例、胆道拡張症・閉鎖症2例、腹膜炎(胃破裂・胎便性腹膜炎・軸捻転)5例、消化管出血3例、その他7例。
  2. 2.最近5年間に治療した小児がん(固形悪性腫瘍)症例
    神経芽細胞腫7例、肝悪性腫瘍6例、横紋筋肉腫3例、悪性リンパ腫3例、ウィルムス腫瘍2例、悪性奇形腫2例、その他3例。
  3. 3.最近5年間に入院治療した小児救急症例
    外傷103例、熱傷54例、腸重積52例、急性虫垂炎75例、異物誤飲11例など。

問い合わせ先

担当:上野 滋(うえの しげる)

TEL0463-93-1121(内線2290)

ps_uenos@is.icc.u-tokai.ac.jp