血液腫瘍内科

GIO(一般目標)

血液腫瘍内科専修医として、患者中心のチーム医療を実践し、代表的な血液疾患の診断・治療選択・治療、全身管理を正しく行うことができるようになるために、必要な知識と技術、専門的臨床能力を習得する。

SBOs(行動目標)

  • 難治性疾患や悪性疾患が多いという血液疾患の特性を理解し、患者さんや家族に対し共感的態度を取りつつ、患者さんにわかりやすい言葉で正しく病状を説明できる。
  • 患者さんの社会的背景、経済的背景が治療方針決定や療養指導の重要なファクターになることを理解し、全人的に治療を行うことができる。
  • チーム医療の輪を重んじ、病院内・外の医師と互いに相談しあいながら良好な人間関係を築くことができる。
  • 看護師や移植コーディネーター、治験コーディネーター、ソーシャルワーカーなどのco-medicalstaffと協調して診察にあたることができる。
  • 鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血、溶血性貧血、再生不良性貧血などの貧血疾患、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病(それぞれ再発を含む)、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、骨髄異形成症候群、発作性夜間血色素尿症、悪性リンパ腫(再発を含む)、特発性血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、血友病、その他の出血傾向をきたす疾患の病態、病期、適切な治療法を正しく理解する。
  • 指導医のもとでチームの一員として、化学療法をはじめとした入院治療と全身管理を行うことができる。
  • 病状によっては外来治療を選択し、外来で安全に治療を行うことができる。
  • 造血幹細胞移植とその適応について理解し、骨髄移植チームの一員として自家移植、同種移植治療前後の管理を行うことができる。
  • 無菌管理の必要性と実際について理解する。
  • 主に血液疾患で多く用いられる代表的な化学療法薬と作用機序、治療関連有害事象について理解する。
  • 化学療法薬による有害事象や合併症対策を迅速かつ的確に行うことができる。
  • 化学療法の安全な施行について追求することができる。
  • 現在当科で行われている代表的な臨床試験とprimaryendpointについて理解し、治験のあらましと意義について説明できる。
  • 紫斑や出血傾向の有無を正しく診断する。
  • 全身リンパ節腫脹の有無、肝脾腫の有無を診断する。
  • 骨髄穿刺、骨髄生検を行う。
  • 骨髄像、細胞表面マーカー、遺伝子検査に基づいて正しく診断を下せる。
  • 造血幹細胞移植のための骨髄、幹細胞採取を行う。
  • 中心静脈カテーテルを正しく挿入する。
  • 腰椎穿刺を行い、検体の採取と化学療法薬の注入を行う。
  • 他科からのコンサルテーションに対応できる。

LS(方略)

OJT(On the job training)

  • 指導医のもとで担当医として10~15名程度の入院患者を受け持つ。
  • 指導医のもとで外来診療を行う。

勉強会(全体カンファレンス)

  • 毎週月曜日17時00分~ 入退院カンファレンス
  • 毎週火曜日13時00分~ 教授回診
  • 毎週火曜日16時00分~ 移植カンファレンス(小児科、再生医療科、看護部合同)
  • 火曜日月1回 19時00分~ journal club
  • 毎月第3火曜日 18時00分~ 東海大学キャンサーボード
  • 月1回(不定期)18時00分~ 悪性リンパ腫病理カンファレンス(病理診断科、臨床病理診断科、血液検査室合同)

学術活動

  • 日本血液学会地方会(1年に3回)
  • 日本血液学会総会(1年に1回)
  • 神奈川若手血液研究会(1年に1回)
  • 神奈川血液研究会(1年に2回)
  • アメリカ血液学会(1年に1回)
    • 血液腫瘍内科専修の後期研修医は、基本的に1年に1回以上いずれかの学会で発表を行うものとする。
    • 後期研修の間に、指導医の引率のもとで1回はアメリカ血液学会に参加し、最新の知見について学ぶ機会を持つ。
    • 後期研修医は積極的に各研究会、講演会に参加し学びの機会を持つことが推奨される。

EV(評価)

  1. 1.年に1回以上、教授、准教授と直接面接を行い、将来の希望に沿った形でのアドバイス、方向付けを行う。
  2. 2.複数の指導医により到達度の評価と今後の進路指導を行う。

社団法人 日本血液学会 血液専門医研修カリキュラムPDFファイルを開きます

診療実績

  1. 1.急性白血病:新患約50例/年(2014年度)
  2. 2.悪性リンパ腫:新患約180例/年(2014年度)
  3. 3.造血幹細胞移植:2013年度実績45例

(血縁者間骨髄移植・末梢血幹細胞移植 6例、非血縁者間骨髄移植5例、非血縁者間臍帯血移植 20例、自家末梢血幹細胞移植 14例)症例数、診療実績、移植件数共に国内の施設の中でも有数の実績を誇り、大変恵まれた環境にあります。
日本の代表的な悪性腫瘍研究組織であるJCOG(Japan Clinical Oncology Group)、白血病研究グループであるJALSG(Japan Adult Leukemia Study Group)に属しており、日本における標準的治療法の確立に寄与しています。また、臨床試験の実績も国内有数で、多数の論文を発信しています。本学以外の卒業生も多く、活発で風通しがいい医局です。ぜひ一度見学にいらしてください。

問い合わせ先

担当:白杉 由香理(しらすぎ ゆかり)

TEL0463-93-1121(内線2230)

whiteced@is.icc.u-tokai.ac.jp

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