研修医の声 Vol.2 03.研修プログラムを選んだ理由と体験談

佐野君は基本プログラムを回っていますが、なぜそのプログラムにしたのか?その中で非常に役に立ったところはありますか?

佐野:市中病院や地域医療を支えているような病院で研修することは、今の自分がそういうところに行って、良い機会にはなるだろうけど、今でなくてもいいのではないかと思いました。すごくいろんな知識もあり、自分で考えたり、判断できたりするようになってからの方が面白いのではないかと思っていました。研修医のはじめのうちは見ているだけで、コモンディジーズも主訴がはっきりしなかったり、風邪を引きましたといってもこんな病気が隠れていましたとか、隠れている病気や疾患一つ一つを知っておかないと、風邪から疑ったりもできないので、そういったところに行っても自分のためになるのかなと疑問に思っていたところもありました。最初、大学病院を選んだ理由でもありますが、しっかりとしたスペシャリストが道筋を立てて、この病態をみて、なんでこの疾患を疑っているのか、聞けるような環境で2年間やりたいなと思ったので、基本プログラムを選びました。

その意図は達成されたのかな?

佐野:そうですね。忙しくてしっかり勉強できなかった科もありますが、必ず疑問点を上の先生に聞けば答えてくれますし、上の先生がちょっとつまってしまったところはあとで論文を印刷して、教えてくれたりするので、勉強になりました。

実際は内科系を言いながら地域プログラムを選んだ白岩さんはどうですか?
選ぶときにあたって、地域を選んだ理由は?

白岩:諏訪中央病院で内科系を3ヶ月研修できるプログラムだったのが、すごく大きくて、東海大学では囲われた科でしか疾患を診れませんが、諏訪中央病院に行った時は全ての科の症例を当直でも診させていただくようなかたちで、小児科から整形、外科まで診させていただきました。

最初からそれは予想していなかったんだよね?

白岩:予想していなかったです。内科だけだと思っていたら行ってみたら小児科から外科まで全部って感じでした。それはそれで面白かったです。垣根がないところで診られるというところがすごく面白そうだなというのを期待して選ばせていただきました。実際行ってみて面白かったのは、大学病院に身をおいた中での大学病院の見方と、市中病院にいる自分の大学病院ってこういうところだったんだなという医療の住み分けというのを身をもって知れたことがすごく大きかったです。大学病院は大学病院でやらなければならない仕事があって、それだけ大学病院に頼ってきた患者さんを診る責任を伴っているから。市中病院は全く違って、気軽に患者さんも来れるし、来られるところであって、入院をするしないに関しても壁がないといいますか。東海大学も三次救急だけでなく、色々な疾患の診れる病院だなっていう認識はありましたが、実際、東海大学も大学病院だったんだなと感じました。将来専門性の高い科に行きたい希望が大きかったので、たぶん今後何年間かはそういう場に関わる機会は激減して、専門性を極めていく道を歩むことになってしまうと思うので、研修医のうちにそういうところを見れたというのは、今後患者さんを市中病院に送るという点でもすごく大きかったと思います。

中島先生は周産期を選んだ理由は?

中島:もともとは周産期をやるか、学生の時に呼吸器外科か産婦人科で腹腔鏡や胸腔鏡をやりたいなと思っていました。産婦人科の中では命が生まれてくる場面に立ち会う経験は医療が存在する前からある原始的なものだけに、魅力を感じて、産婦人科を志していました。周産期コースを選んだのは、産婦人科医になるにあたっては不妊治療を診ておきたいなと思っていました。不妊治療は、社会に出て働いている方々が結婚して、子供を産む計画をし、なおかつ自分の社会的地位とも両立させていく・・・現代の日本の社会を反映していると思っていました。これからも絶対必要なものだと思っています。そういったものを見学するにあたっては、働いている女性が行きやすい街の病院の方が良いと思ったので、厚仁病院で研修できるというのはすごく貴重で、1ヶ月間お世話になり、よい勉強をさせていただきました。

結局内科になったんだよね?

中島:そうですね。驚きですね。

いろんなことを考えて選んだプログラムだけど、みんなそれぞれ役に立ったみたいだけどね。
今2年生を中心に聞いたので、地域重点だと次に1年生の平野くん。まだ回ってないんだけどね。

平野:僕はもともと研究がしたいというのがあったので、大学病院に将来的に残りたいと思っていますが、東海大学出身で東海大学で仕事をして、ずっと東海大学しか見てきていないという不安もありました。研修先に市中病院を選んだ友達からコモンディジーズが見られるとか、一人で対応する機会が多いという話も聞いて、そういうことも経験したいなと思って選びました。

地域医療が長い地域重点プログラムを選んだと。

平野:そうですね。特に大船中央病院は広く内科を学べる教育体制もしっかりとしているのを聞いていて、2ヶ月、3ヶ月だと病院に慣れて終わってしまう感じがしていました。その頃ちょうど僕の学年からこのコースが始まったので、これはいいチャンスだなと思って選びました。

中島:何ヶ月?

平野:6ヵ月。

これは体験談は2年目からなのでないんですけどね。
選択しては面白いだろうなと思って作ったんですけどね。

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