先進医療

先進医療とは

先進医療とは、新しい医療技術と患者さんの要望の多様化により、保険診療の医療水準を超えた最新の先進技術として、厚生労働大臣から承認された医療行為のことを言います。

先進医療A

  • 未承認、適応外の医薬品、医療機器の使用を伴わない医療技術
  • 未承認、適応外の体外診断薬の使用を伴う医療技術等であって、当該検査薬等の使用による人体への影響が極めて小さいもの

先進医療B

  • 未承認、適応外の医薬品、医療機器の使用を伴う医療技術
  • 未承認、適応外の医薬品、医療機器の使用を伴わない医療技術であって、当該医療技術の安全性、有効性等に鑑み、その実施に係り、実施環境、技術の効果等について特に重点的な観察・評価を要するものと判断されるもの

当院において、現在承認を受けている先進医療は以下の通りです。

  先進医療技術名 実施診療科 承認年月日
先進医療A 多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術 眼科 2019年8月承認
MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法 泌尿器科 2019年6月承認
先進医療B パクリタキセル静脈内投与(1週間に1回投与するものに限る。)およびカルボプラチン腹腔内投与(3週間に1回投与するものに限る。)の併用療法 婦人科 2013年1月承認
腹腔鏡下センチネルリンパ節生検 消化器外科 2018年9月承認
術後のカペシタビン内服投与及びオキサリプラチン静脈内投与の併用療法 消化器内科 2018年5月承認
自己軟骨細胞シートによる軟骨再生治療 変形性膝関節症(軟骨欠損を伴うものであって、高位脛骨骨切り術の適応となるものに限る。) 整形外科 2019年4月承認

当院で実施可能な先進医療の概要について

先進医療A

先進医療
技術名
多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術
実施診療科 眼科
承認年月日 2019年8月1日
適応症 白内障
技術の概要 多焦点眼内レンズは、無水晶体眼の視力補正のために水晶体の代用として眼球後房に挿入される後房レンズである点では、従来の単焦点眼内レンズと変わりはない。
しかし、単焦点眼内レンズの焦点は遠方又は近方のひとつであるのに対し、多焦点眼内レンズはその多焦点機構により遠方及び近方の視力回復が可能となり、これに伴い眼鏡依存度が軽減される。
術式は、従来の眼内レンズと同様に、現在主流である小切開創から行う超音波水晶体乳化吸引術で行う。
先進医療
技術名
MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法
実施診療科 泌尿器科
承認年月日 2019年6月1日
適応症 前立腺がんが疑われるもの(超音波により病変の確認が困難なものに限る。)
技術の概要 まず、血清PSA値が4.0ng/mL以上20.0ng/mL以下の患者を候補とする。候補患者に対してMRIを実施し、Significant cancerが疑われた症例のうち、除外基準を満たさない患者を選定する。
本生検では、事前にBioJetソフトウェアにMRI(DICOM画像)を取り込み、前立腺尖部から底部まで、および癌を疑う部位(Region of Interests, ROI)のセグメンテーション(輪郭を明確に示すこと)を行い、画像処理技術により、3次元モデルを作成。座標センサーが搭載されたアームに取りつけられた経直腸的超音波プローブを肛門から挿入。MRIの3次元モデルとリアルタイムのTRUS前立腺画像をプローブのマニュアル操作および弾性融合機能により一致させる。前立腺観察時のプローブの動きは、座標センサーによりBioJetソフトウェアに認識されるため、TRUSにより観察されている部位のMRIが、同一画面上にリアルタイムで表示される(MRI-TRUS融合画像)。術者は、この融合画像に基づき、ROIの前立腺組織を生検することができる。

先進医療B

先進医療
技術名
パクリタキセル静脈内投与(一週間に一回投与するものに限る。)及びカルボプラチン腹腔内投与(三週間に一回投与するものに限る。)の併用療法
実施診療科 婦人科
承認年月日 2013年1月1日
適応症 上皮性卵巣がん、卵管がん又は原発性腹膜がん
技術の概要 局所麻酔または硬膜外麻酔下の小開腹を行い、腹腔ポートを留置する。このポートより、カルボプラチンを腹腔内に直接投与する。また、全身化学療法としてパクリタキセル経静脈内投与を併用する。
この化学療法は21日間を1コースとして行い、パクリタキセルは第1日目、第8日目及び第15日目に標準量(80mg/m2)を経静脈投与、カルボプラチンを第1日目に標準量(※AUC6(mg/L)・h)を腹腔内投与し、計6コースを行う。
※AUC : area under the blood concentration time curve(薬物血中濃度-時間曲線下面積)
先進医療
技術名
腹腔鏡下センチネルリンパ節生検
実施診療科 消化器外科
承認年月日 2018年9月1日
適応症 早期胃がん
技術の概要 本試験は術前診断T1N0M0、腫瘍長径4cm以下と診断された単発性の早期胃癌症例を対象として、「SNをLN転移の指標とした個別化手術群」を行い、その根治性・安全性を検証する第II相多施設共同単群試験である。すべての症例にSN生検を行い、術中SN転移陰性の場合にはSN流域切除を原則とした縮小胃切除(噴門側胃切除、幽門保存胃切除、胃部分切除、分節切除)を行って「縮小手術群」(A群)とする。流域切除範囲によって縮小手術が困難な場合には従来通りの胃切除術(幽門側胃切除術・胃全摘術)(B群)を実施する。また、SN転移が陽性の場合にはD2LN郭清と定型胃切除(幽門側胃切除術・胃全摘術)(C群)を行う。Primary Endpointは5年無再発生存割合、Secondary EndpointsはSN同定率、転移検出感度、3年無再発生存割合、3年・5年全生存割合、術後QOLとする。Primary Endpointすなわち個別化手術の根治性・安全性の評価は、本試験登録A~C群(個別化手術群)の手術成績とこれまで報告されてきた同じ早期胃癌に対する手術成績を比較し、A群のみの部分集団での予後についてもSecondary Endpontとして同時に検証する。術後QOLに関しては「個別化手術群」内での比較も行う。
先進医療
技術名
術後のカペシタビン内服投与及びオキサリプラチン静脈内投与の併用療法
実施診療科 消化器内科
承認年月日 2018年5月1日
適応症 小腸腺がん(ステージがI期、II期又はIII期であって、肉眼による観察及び病理学的見地から完全に切除されたと判断されるものに限る。)
技術の概要 治癒切除後病理学的Stage I/II/III小腸腺癌を対象に、手術単独群に対し術後化学療法群の無再発生存期間(RFS:relapse-free survival)が優位に優るかを判断する。
先進医療
技術名
自己軟骨細胞シートによる軟骨再生治療 変形性膝関節症(軟骨欠損を伴うものであって、高位脛骨骨切り術の適応となるものに限る。)
実施診療科 整形外科
承認年月日 2019年4月1日
適応症 変形性膝関節症(軟骨欠損を伴うものであって、高位脛骨骨切り術の適応となるものに限る。)
技術の概要 本技術は、変形性膝関節症(高位脛骨骨切り術適応患者)の軟骨欠損に対する治療法である。
①一次登録後、関節鏡検査で軟骨欠損部の面積及びグレードについての適格基準を確認。
②①の基準を満たした被験者を二次登録し、軟骨細胞シート作製のために必要な、膝関節大腿側の非荷重部より患者自身の軟骨組織、滑膜組織を採取する。
③採取組織は、東海大学医学部付属病院からセルシード社 CPCへ運搬し、細胞を単離、3~4週間の培養期間を経て、軟骨細胞シートが作製され、手術日に東海大学医部付属病院へ運搬される。
④高位脛骨骨切り術に併用してRMSC法(※)により変形性膝関節症の軟骨欠損部を治療する。
⑤検査スケジュールに従って軟骨欠損部の修復具合を定期的に確認する。
(※)RMSC法
・不良組織の切除(Resection of unhealthy tissue)
・骨髄刺激法でMSCsを誘導(Marrow Stimulating = MSCs Recruitment)
・軟骨細胞シートで被覆(covered by Chondrocyte sheets)