炎症性腸疾患センター

概要

■部署紹介と炎症性腸疾患センターの役割


東海大学医学部付属病院では、このたび「炎症性腸疾患(IBD: Inflammatory Bowel Disease)センター」を新設いたしました。

炎症性腸疾患は大きく分けると、潰瘍性大腸炎やクローン病があります。これらの疾患は20-30歳代の若い方に多く罹患し、学業や就労、妊娠や出産と様々なライフイベントと時期が重なり、患者さんの生活の質(QOL)に大きな影響を及ぼします。

本センターは、患者さんが自身の疾患を理解し、適切な医療を受ける権利を尊重する「患者アドボカシー(Patient Advocacy)」の概念を重視しています。常に患者さんを中心に相談しながら、患者さんの病態を正しく把握し、最善な診療・治療を行えることを目指していきます。また消化器内科、消化器外科、小児科、小児外科、産婦人科という診療科だけでなく、看護師、薬剤師、栄養士、検査技師などを含めた医療スタッフが、総合大学ならではの総合力を生かしたひとつのチームとなり、様々な観点から患者さんのために協力して診療にあたります。

対象疾患

潰瘍性大腸炎、クローン病、腸管ベーチェット病、非特異的多発小腸潰瘍症、クロンカイト・カナダ症候群 など

ご挨拶

炎症性腸疾患センターの設立にあたり、ご挨拶申し上げます。

潰瘍性大腸炎やクローン病は、長期間にわたり患者さんの生活に影響を及ぼす疾患です。これらの疾患は、適切な診断と治療が重要であり、一人ひとりに合った最適な治療戦略を見つけることが求められます。私たちは、患者さんが「病気と共に生きる」のではなく、「病気をコントロールし、より充実した生活を送る」ことができるよう、全力でサポートいたします。

特に、本センターでは小児期にIBDと診断された患者さんの成人期へのスムーズな移行をサポートし、長期にわたる健康管理を支援します。また、妊娠を希望される患者さんに対しては、妊娠計画から出産後までの一貫したサポートを提供し、安全な妊娠・出産を実現できるよう努めてまいります。加えて、私たちは「患者アドボカシー」のスピリッツを推進し、患者さんが適切な医療を受ける権利を守るだけでなく、社会の中で活躍できる環境を整えるための支援を行います。患者さんやご家族との連携を強化し、患者さん同士が情報を共有し、支え合う場を提供します。医療者だけでなく、患者さん自身が主体的に治療や生活の選択を行い、より良い人生を築けるよう、共に歩んでまいります。

当センターでは、診療だけでなく研究にも力を入れ、患者さんの病態の変化をいち早く察知し、最新の医療をいち早く提供できる体制を整えています。地域の医療機関の皆さまと緊密に連携し、患者さんが安心して治療を継続できる環境を整えていきます。

炎症性腸疾患に関するご相談がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。

今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

炎症性腸疾患センター長
鈴木 秀和