ご挨拶
我が国は世界に類を見ない超高齢社会を迎えており、認知症は今や誰にとっても身近な疾患となっています。近年の推計では、65歳以上の高齢者の約8人に1人が認知症、また約7人に1人がその前段階である軽度認知障害(MCI)を有するとされ、今後もその患者数は増加の一途をたどると予想されています(令和5年度 老人保健事業推進費等補助金 「認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究」)。
このような社会的背景のもと、認知症疾患医療センターは地域における認知症医療の中核として、早期診断・専門的治療・医療連携の推進を担う重要な役割を果たしています。当センターは神奈川県内における先駆的施設として開設されて以来、脳神経内科、精神科、脳神経外科をはじめとする多職種・多診療科連携のもと、質の高い医療の提供に努めてまいりました。
現在では、認知症専門医を中心とした専門チームが診療にあたり、最新の画像診断や評価法を活用した精緻な診断と、個々の患者様に応じた包括的な治療を実践しております。また、教育・研修拠点として次世代の専門医育成にも力を注いでおります。
今後も地域の医療機関・介護施設・行政との連携を一層強化し、認知症の方とそのご家族が安心して暮らせる社会の実現に貢献してまいります。
認知症疾患医療センター長
安部 貴人
概要
当センターでは、認知症に関する専門医療機関として、以下の業務を行っております。
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医療相談:認知症に関する医療・介護について、専門スタッフによる対面および電話相談を実施しています。
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診療:認知症の鑑別診断を中心に、合併症や行動・心理症状(BPSD)への対応を含めた包括的診療を行います。
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技術援助:地域医療従事者を対象とした研修会や講演会を開催し、認知症診療の質の向上に寄与しています。
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地域連携の推進:行政、医師会、地域包括支援センター、介護施設、家族会等と連携し、医療連携協議会を通じた情報共有・体制整備を行っています。
受診をご希望の方は、かかりつけ医からの診療情報提供書をご準備のうえ、事前に脳神経内科外来をご予約ください。特に、火・水曜日の初診外来では脳神経内科専門医に加え、認知症専門医を有する医師が診療にあたります。当日の診療状況に依っては、待ち時間が発生する場合がございます。時間には十分ゆとりをもってお見え下さい。認知症診断・治療には、併存疾患の状況、普段の御様子、生活歴等の情報が重要です。加えて認知症やその前段階(MCI:軽度認知障害)では、生活を支える周囲の方々の理解と対応が進行抑制に大きく寄与します。受診の際には、かかりつけ医からの診療情報提供書、お薬手帳をお持ち頂き、患者様御本人のことを良くご存じの御家族または近しい御関係の方と必ず同伴でお見え下さい。病状に応じて、精神科、脳神経外科等、必要な受診科と連携をもって診療にあたります。
当センターは、認知症の鑑別診断に力を入れており、認知機能の評価とともに、MRIおよびSPECT等の画像診断をフル活用しながら鑑別診断を行い、神奈川県西部地区の認知症医療の中核として業務にあたっています。更に、高度救命救急センターを有する総合病院であることから、認知症に併存する身体疾患で御入院となった際には、認知症ケアサポートチームが早期介入し、認知症の方が安心して入院加療できるようサポートしています。
