放射線治療科

診療内容

放射線治療の特徴は、がんのみを死滅させ周囲の正常組織を温存できることです。特に最近では局所に限 局しピンポイントに照射する定位放射線治療(SRT)や、腫瘍の形に完全に一致させて照射する強度変調 放射線治療(IMRT)により、正常組織の障害はさらに少なくなり、腫瘍への線量増加が可能となり、治癒 率がさらに高まっています。多くの部位で手術と同等の治療効果が得られています。がんの種類や病期によ っては抗がん剤や手術との併用がよい場合もあります。放射線治療だけの場合には原則的に外来での治療が 可能です。身体への負担が少ないため、高齢の患者さんでも安心して治療を受けることができます。日本で は放射線治療の普及度が低く、全がん患者の1/4程度が放射線治療を受けるのみですが、欧米では6 割以上 が受けており、今後日本でも増加するものと思われます。セカンドオピニオンも受け入れていますので、ご 相談ください。一般的な外部照射はライナックという装置を用いて数週間をかけて治療しますが、定位放射 線治療では1 回または数回での治療も可能です。2017年より治療装置を増強し、IMRTの進化形である強度 変調回転放射線治療(VMAT)による高精度かつ短時間の照射を積極的に行っています。また寡分割照射 を推進し通院期間の短縮に努めています。小線源治療は、イリジウムを用いた腔内照射を画像誘導下に施行 しています。各診療科と連携しながら、個々の患者さんに最も適した治療法を安全に提供できるように努め ています。なお、2018年よりJCOG放射線治療グループに加入し症例を登録しています。

主な対象疾患

  • 脳腫瘍:グリオーマ、胚芽腫、脳転移など
  • 頭頸部腫瘍:喉頭癌、咽頭癌、口腔癌などに根治的照射、術後照射を照射単独または化学放射線療法
  • 肺癌: 早期肺癌は定位放射線治療で高齢者でも手術に劣らない成績が得られる。局所進行癌に対しては化学放射線治療を行う。
  • 食道癌:根治、術後照射、術後再発に照射単独または化学放射線治療
  • 乳癌:乳房温存術後の乳房照射により、局所再発率を約1/3に下げる。寡分割照射(短期照射)も導入
  • 肝細胞癌:限局する4、5cm程度のものまでに対して定位放射線治療を施行
  • 直腸癌:一部直腸癌に放射線治療±化学療法を術前に施行
  • 婦人科腫瘍: 子宮頸癌は早期(Ⅰ、Ⅱ期)でも腔内照射併用で手術と匹敵する治療成績が得られ、標準治療の一つ
  • 前立腺癌:主にIMRT(強度変調放射線治療)をおこなう
  • 白血病:全身照射を施行
  • 良性疾患:甲状腺眼症、難治性ケロイドなど
  • 骨転移など緩和:短期照射を施行。臨床試験として骨転移に対する定位放射線治療も施行
  • その他:さまざまな疾患が対象となりますので、お気軽にお問合せください。

主な診療実績

年間症例数は、1995年には350人でしたが年々増加し、最近では年間約 1100人程度と全国有数の症例数です。
2018年の実績:子宮腔内照射35件、IMRT 332件、定位放射線治療114件、 全身照射40件など、IMRTや定位放射線治療の件数が増加しています。

ご挨拶

 放射線治療は小児から超高齢者まで外来で治療できる低侵襲治療が特長です。特に最近では強度変調放射線治療(IMRT)などの、腫瘍だけに正確に当てる新しい技術が開発されました。そのため治癒率が上がると共に副作用もさらに少なくなっています。しかし最も大事なのは機械でなく心です。当科では、悪性腫瘍を中心とする多彩な疾患に対し、偏ることなく内外の最新の知識に基づく治療を行うことを目指しています。初めての治療には不安も多いと思いますが、医師(放射線腫瘍医)と共にきめ細かいケアをおこなう看護師、治療を直接担当する放射線治療技師、また全体的な品質管理に関わる医学物理士や診療を補助する医療秘書、受付事務など全スタッフがそれぞれプロフェッショナルとして患者さんが快適に最善の治療を受けられるよう努めますので安心して受診されてください。

放射線治療科 診療科長
菅原 章友

医師一覧

身分/医師名 専門分野/特に専門とする領域 専門医資格 外来診療日
教授/
菅原 章友
放射線治療
/前立腺癌、高精度放射線治療
放射線治療専門医 月・水・金
特任教授/
北原 規
放射線治療
/消化器癌・泌尿器癌・乳癌・悪性リンパ腫・転移癌・良性疾患/化学放射線 療法
放射線治療専門医(日本がん治療認定機構・癌治療認定医) 月・火・木・土
講師/
秋庭 健志
放射線治療
/脳腫瘍、悪性リンパ腫、小児腫瘍、全身照射、直腸癌
放射線治療専門医 月・火・木・土
助教/
福澤 毅
放射線治療
/前立腺癌、頭頚部腫瘍、肺癌、縦隔腫瘍
放射線科専門医 月・木・金・土
助教/
長尾 隆太
放射線治療
/婦人科腫瘍、乳癌、緩和ケア、食道癌、肝・胆・膵癌
放射線科専門医 火・水・木・土
助教/
黒木 俊寿
放射線治療
/放射線治療全般
  月・金・土
助教/
外山 弘文
放射線治療
/放射線治療全般
  火・水・土
助教/
勝俣 智美
放射線治療
/放射線治療全般
月・火・木・土

放射線治療の流れ

各科および他院からの紹介で受診

主治医の先生から紹介されての受診となります。
他院からの紹介の場合には紹介状、レントゲン、CTなどの検査結果を持参してください。

診察

診察を行い、これまでの検査結果から病気の種類、部位、進行度などを考慮して最適な治療方法について検討します。放射線治療を行うことが最適であるか、治療の方法はどうするかを検討します。
予測される治療の効果、副作用について説明をし、治療を希望された場合治療計画を立てます。 疑問点があったら納得できるまで質問してください。
患者さんは基本的に放射線治療について深い知識が無いことが多いのでどんな質問でも結構です。遠慮せずに聞いてください。

治療計画

放射線治療をする事にご納得いただいた後、最適と思われる放射線治療の方法を決定します。実際の治療と同様にどの部位に限局して当てるかを決定し体に目印(皮膚に黒いマジックインクで線を書きます)を付ける作業をします。 この作業のことをシミュレーションと呼びます。
目印を付ける際に透視で位置確認をして、レントゲン写真を撮ります。その後CTを撮影します。これは放射線をどの様にかけるか、病気の部分と正常な部分の線量がどの位になるか、という計算を行う時に必要になります。
目印を付ける一連の作業におよそ20~30分程度かかります。

治療

基本的に治療計画を立てた翌々日からの治療となります。
治療計画に基づいて、毎日の治療を行います。一日当たりの治療時間は約5~10分程度です。 (治療部位数、使用機械が複数になる場合はそれ以上時間がかかる場合があります)
基本的には毎週月曜日から金曜日までの週5回の治療を数週間行います。
治療計画の際に付けた目印に従って放射線を照射しますので、印を消さないようにして下さい。
治療時に診察がありますので、何か分からないことや疑問、不安なことがあったらすぐに相談してください。
治療は通院でも可能な場合があります。入院が必要となるのは手術直後、点滴治療を併用している、治療による副作用が強い場合あるいは遠方で通院が不可能な場合です。現在治療している患者さんの60%程度が外来通院で行っています。

再診

放射線治療が終了した後も定期的に診察を行います。
必要に応じて各種の検査を行い、治療効果の判定を行います。
また、副作用などについても調査、対処をしています。
基本的に元の診療科と同一の診察日になるようにしています。当科では診察日の変更は電話連絡でも可能です。予約なしに来院された場合、手配のために待ち時間が長くなりますので、必ず事前に連絡をして下さい。