東海大学医学部付属病院

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膵臓・胆道疾患センター

ご挨拶

これまで、膵癌や胆嚢癌をはじめとした膵臓・胆道の疾患は、診断・治療がとても困難であり、特に早期発見の難しさがこれらの予後不良である原因と言われてきました。しかし、膵臓や胆道の内視鏡診断・治療や外科手術は、近年技術革新がめざましく、発展している分野でもあります。一方で、これらの病気に対する外科手術は難易度が高く、腹部手術の中で最も難易度が高い手術領域のひとつであります。手術手技および周術期管理の発達により手術関連死亡や術後合併症の発生率は低減されてきておりますが、依然高率です。日本肝胆膵外科学会が認定している高難度修練施設Aは、1年間に高難度肝胆膵外科手術を50例以上行っている施設で、当施設も認定を受けており、ハイボリュームセンターでは合併症や術死率が低い傾向にあります。さらに、診断・手術のみならず、放射線治療、化学療法、病理診断、緩和医療など、患者さんの個別の状態に応じた最適な診断・治療を行う必要があるため、この度、内科、外科、放射線科、病理診断科が有機的に連携をとって診療を行う膵臓・胆道疾患センターを立ち上げました。当センターでは、各部門の専門家が定期的にカンファレンスを行い、個々の患者さんの病態に応じた最良の医療を行います。

膵臓・胆道疾患センター長
岡田 健一

概要

部署紹介

膵臓(すいぞう)、胆道(胆管と胆嚢をあわせた胆汁の通り道)の疾患は診断が難しいことから、この領域の悪性腫瘍は進行した状態で発見されることが多くなります。他のがんに比べて特に難治といわれており、近年においても死亡率が特に高いがん種が発生する領域です。当院では2024年4月1日から膵臓・胆道疾患センターを開設して対策に取り組んでいます。悪性の膵臓胆道疾患だけでなく、胆石、胆管炎、急性膵炎、慢性膵炎といった良性の疾患に対しても、高度な医療を提供致します。他院で治療が難しいとされた患者様もご相談下さい。

 当センターでは関係各部門が連携し、組織力を結集して治療や研究に当たります。主に膵臓胆道疾患の診断、内視鏡処置、内視鏡治療、抗がん剤治療は消化器内科、侵襲的処置、手術、手術前後の抗がん剤治療は消化器外科が担当しております。膵臓胆道領域を専門としている病理専門医、放射線診断、IVR医師、がんゲノム医療に精通したがん治療の専門医がそれぞれのチームとともに密接に協力しながら治療を進めてまいります。毎週カンファレンスを思うことで患者さんの情報を共有して治療方針を決定、さらに手術後症例のフィードバックを行っております。また、定期的に手術症例の病理組織を用いた病理カンファレンスも開催しています。

膵臓・胆道疾患センターの役割

・膵臓・胆道疾患の診断及び治療の実践、診断及び治療に関する教育、研究、膵臓・胆道疾患に関する相談窓口となり、情報提供、他の医療機関との連携を行います。

・良性、悪性疾患を含めた膵臓・胆道疾患に対して、一丸となって密接に協力しながら、患者さんを中心として最新かつ適切な医療を提供します。

・神奈川県西部の医療機関、東海大学医学部付属病院の健診ドック部門と協力することで、早期膵癌、胆道癌の発見に向けたプロジェクトを進めてまいります。当院ドックでは質の高い画像検査を行っておりますので、ぜひ早期膵癌をご心配の患者さんは当院のドックをお受けください。

診断・治療対象疾患

・膵臓疾患:膵臓癌、膵管内乳頭粘液性腫瘍、膵神経内分泌腫瘍、急性膵炎、再発性膵炎、慢性膵炎、膵石、重症膵炎後仮性嚢胞・被包化膵壊死(WON)、自己免疫性膵炎、嚢胞性膵腫瘍、膵管癒合不全(膵管非融合)

・胆道疾患:胆管癌、胆嚢癌、十二指腸乳頭部腫瘍、総胆管結石、胆石胆嚢炎、胆嚢ポリープ、膵・胆管合流異常、胆膵疾患術後の吻合部狭窄や出血、肝内胆管結石症、先天性胆道拡張症

・十二指腸疾患:十二指腸腫瘍、十二指腸乳頭部腫瘍(腺腫、癌、その他の腫瘍)

・小児領域からの胆膵疾患の成人移行も対応しております。

対応可能な処置・手術

・外科手術:高難度肝胆膵外科手術、ロボット手術

・内科的処置:ERCP、胆道鏡、膵管鏡、電気水圧衝撃波結石破砕(EHL)、超音波内視鏡検査(EUS)、超音波内視鏡を用いた侵襲的処置(iEUS)

・当院で特色のある処置:内視鏡的乳頭腫瘍切除術(EP)、膵石に対する体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、胆膵内視鏡治療

センター開設後のご報告

・消化器外科部門については、毎年、年間の膵切除術は約60例(腹腔鏡下膵体尾部切除、ロボット支援下膵体尾部切除を含む)、肝切除は約60例(腹腔鏡下肝切除、ロボット支援下肝切除を含む)です。高難度処置に限らず、良性疾患も含めて湘南地域の医療施設と連携しながら適切に手術をおこなってまいります。

・2024年10月から1年間の化学療法件数は約200名の患者さんが抗がん剤治療を受けています(消化器外科約100件、消化器内科約110件、のべ点滴件数約2000件)です。

・膵臓・胆道疾患の診断のキーになる超音波内視鏡(EUS)検査については検査枠を増やして対応をしております。2024年度は284件でしたが2025年度は403件(EUS-FNAは182件)となりました。鎮静剤投与下で専門医が短時間で適切な観察を行います。また、超音波内視鏡を用いた様々なドレナージ処置として、2025年度は胆道(EUS-HGS)19件、膵管(EUS-PDD)1件、膿瘍(EUS-AD)19件施行しております。

・内視鏡的逆行性膵管胆管造(ERCP)関連処置については、合併症リスクを勘案して必要な患者さんに絞って安全な処置を心がけています。膵臓胆道癌患者さんは胆管・膵管が狭くなる事が多いため、ステント留置処置が必要となります。悪性疾患患者さんのご紹介も増え、処置件数は2024年度は748件、2025年度は897件となっております。無症状の総胆管結石に対する予防的治療は合併症が多いことも報告されており当院では患者さんと十分相談したうえで治療するか決めています。

・膵臓胆道疾患センターとして、ERCP(側視内視鏡4本)、EUS(ラジアル内視鏡2本、コンベックス内視鏡3本)、ショート、ロングダブルバルーン内視鏡、デジタル胆道鏡、EHL機器、ESWL装置などの装置を取り揃えており、患者さんにための低侵襲な治療を積極的に取り入れております。また、内視鏡的乳頭腫瘍切除術に精通した医師(内視鏡学会ガイドライン委員)が赴任しておりますので、十二指腸乳頭部腫瘍の患者さんをぜひご紹介をいただけますと幸いです。

・重症膵炎の管理についても、救急救命医学の土谷教授と協力し、急性期の重症患者の集中治療管理から、後期合併症への専門的処置についても適切に対応できる体制を整えました。重症膵炎患者さんの転送を含めて医療機関の先生からのご相談に適宜対応いたしますので消化器内科の胆膵班医師あてにご連絡ください。

お問い合わせ

膵臓・胆道がんの診断・治療に関して(患者さんへ)

 特に症状はなく、ご自身が膵がんかどうか心配な方は、ぜひ当院の人間ドックで精度の高い腹部エコー検査、PET-CTがん検診をお受けください。検診結果に異常がある場合には東海大学病院でしっかりと精査加療を行います。

  また、膵臓・胆道がんのリスク(膵酵素高値、腫瘍マーカー高値、持続する腹痛・背部痛、新規糖尿病発症もしくは最近悪化、膵嚢胞、膵管拡張、慢性膵炎、膵嚢胞性腫瘍IPMN患者さん。腹痛・背部痛などの症状があり、家系内に膵臓・胆道がんが複数あるいは第一親等にいらっしゃる)があるかたは、まず主治医あるいは二次医療機関の先生にご相談ください。詳細な精査(MRI、超音波内視鏡検査、ERCP検査など)が必要と判断された際には、当院消化器内科外来(水曜日初診)あてに紹介していただくようご相談ください。

 膵臓・胆道がんの精密検査でご紹介いただいた場合、必要な検査をなるべく行わせていただきますので当日は食事を取らずに受診ください。しかしながら、MRI検査、超音波内視鏡検査については予約制としておりますので、受診後に再度検査にいらしていただく必要がありますのでご理解ください。

 個別の診療内容に関するお問い合わせは電話では対応できませんので、かかりつけ医と相談して紹介状を作成いただき専門外来を受診ください。セカンドオピニオンも受け付けておりますので、病院担当部署にご相談ください。

 当院はがんゲノム医療拠点病院となっており、積極的に遺伝子パネル検査を利用しています。その一方で、残念ながら膵臓・胆道がんに関する新薬の治験は当院ではおこなっておりません。新薬治療が推奨される場合には、対応できる施設をご紹介いたします。

膵臓・胆道がんの診断・治療に関して(医療機関の方へ)

当院では迅速ながん診断と早期の治療導入を心がけております。上記リスクの高い患者さんで貴施設での精査で二次検査を要すると判断された際にはご紹介お願いいいたします。膵臓・胆道疾患初診外来 水曜日岩崎(通年)、木曜日川西(2026年度4−10月のみ)が対応いたします。予約枠は多めに設定しておりますので、必ず予約を取って受診するようにご指示ください。明らかに腫瘍性病変で早期の診断治療が必要と判断される場合は、初診外来に予約無しで受診いただいても対応いたします(待ち時間はご容赦いただけるようお伝え下さい)。また、急性膵炎、胆管炎、胆嚢炎、黄疸などの緊急対応が必要な患者さんにつきましては、どの曜日でも予約外でも対応いたしますので適宜ご紹介ください。

 ICU適応と思われる重症膵炎患者さんの転院搬送については積極的に受けいれております。消化器内科胆膵班が窓口となり、連絡をいただいてから救急救命医師と相談して受入れ調整を行います。高次医療機関への搬送基準となった場合には病診連携室経由で胆膵班医師、あるいは直接消化器内科外来へ電話でご相談ください。