セルプロセッシング室

概要

セルプロセッシング室の目的

セルプロセッシング室は、医学部付属病院診療協力部の下部組織として位置し、学内における再生医療(臨床研究を含む)を支える施設の1つです。一般的には、CPC(Cell Processing Center)と呼ばれることが多いですが、治療のためのヒト細胞の培養、加工などの処理を無菌的に行うために、厳密に管理された細胞処理施設のことをいいます。2003年に医学部1号館3階に設置され、衛生管理基準書に則り病院施設として運営されています。

セルプロセッシング室の設置基準

ヒト由来の組織・細胞を利用した臨床研究を実施する施設として、本施設は医薬品GMPに準じたバリデーションを実施しています。すなわち、GMP三原則である「汚染防止」「人為的ミスの防止」「品質保証」に基づき運用しています。ヒト細胞を扱う施設として、各種指針・ガイドラインに鑑みて、社会的な枠組みに基づいた運用を実施できるよう心掛けています。特に2014年11月25日に施行された再生医療等安全性確保法で設けられた再生医療等の提供機関及び細胞培養加工施設についての基準を遵守しながら臨床研究を行っています。設備面では関東信越厚生局への届け出を完了し受理(2015年5月 20日)され、細胞培養加工施設として施設番号FC3150164を付与されています。

セルプロセッシング室の構成

室長:佐藤正人 教授(兼務)

実施中の再生医療等提供計画

・AMED再生医療実用化研究事業
 「変形性膝関節症に対する自己細胞シート移植による先進医療の完遂」R3 ~ R5
 「 変形性膝関節症に対する多血小板血漿(PRP)関節内注射の有効性検証医師主導治験:多施設無作為二重盲検比較試験」R4 ~ R8
 URL: http://cellsheet.med.u-tokai.ac.jp/
 研究代表者 整形外科学 教授 佐藤正人

 同種軟骨細胞シート移植は、第1種再生医療等提供計画として受理(2016年4月28日)され開始いたしました。現在10症例に移植を完了して、経過観察中です。
 自己軟骨細胞シート移植は、第2種再生医療等提供計画として受理(2016年3月11日)されました。安全性と有効性が評価され、厚生労働省先進医療技術審査部会並びに先進医療会議で「適」と判断され、2019年度から先進医療Bとして当院での実施が承認されました。現在18例の変形性膝関節症の患者へ自己細胞シートが移植され経過良好です。また、保険外診療として変形性膝関節症に対するPRP・APS療法を再生医療等安全性確保法の下で第2種再生医療等提供計画として実施中で、治療に用いる特定細胞加工物を作製しています。また、医師主導治験をAMED事業として2022年度から開始しました。

これまで実施した臨床研究課題

・厚生労働科学研究費補助金 再生医療実用化研究事業
 「 細胞シートによる関節治療を目指した臨床研究」
 研究代表者 整形外科学 教授 佐藤正人
・AMED再生医療実用化研究事業
 「 関節治療を加速する細胞シートによる再生医療の実現」
 研究代表者 整形外科学 教授 佐藤正人
 「 同種細胞シートを用いた変形性膝関節症に対する再生医療の実現」
 研究代表者 整形外科学 教授 佐藤正人

ご挨拶

東海大学医学部では、再生医療に関する研究を行っております。再生医療は様々な病気やけがの克服に大きな期待が寄せられています。再生医療では細胞を使いますが、患者さんに移植する細胞は、培養して増やして加工します。しかし、生きている細胞は滅菌することができないため、細胞がクリーンな環境で安全に培養できるセルプロセッシングセンター(CPC)が必要になります。私共は安全に再生医療を実施するため、保険治療になる前段階の治験、先進医療、臨床研究に対して、医の倫理委員会と厚労省で認められた範囲でCPCを活用して実施しております。

セルプロセッシング室長
佐藤 正人