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遺伝子診療科
診療内容
遺伝子診療科は遺伝カウンセリング外来とがんゲノム外来を行っています。遺伝カウンセリング外来では、遺伝性疾患と診断された方やそのご家族、遺伝子検査や出生前診断を検討されている方などに対して専門的な情報を提供し、抱えておられる問題の解決方法を一緒に考えます。外来は、医師、コメディカル(認定遺伝カウンセラー・遺伝看護専門看護師を含む看護職・公認心理師)が担当いたします。 通常1回の面談に1時間程度を要するため、完全予約制としています。また、ご家族を亡くされた方への心理サポート(グリーフケア)として、公認心理師による「こころのケア外来」も行っています。
東海大学医学部付属病院「がんゲノム医療拠点病院」です。保険収載されたがん遺伝子パネル検査は神奈川県西部では当院のみで施行できます。当科では、本検査を 提供する「がんゲノム外来」を行っています。
当科は遺伝子的検査とそれに伴う相談に対応しており、治療は行っておりません。疾患の臨床的診断や、継続的診療をご希望の場合には、その疾患に対応する診療科へご紹介ください。
主な対象疾患
- <遺伝カウンセリング外来>
遺伝性腫瘍、遺伝性神経筋疾患、小児難聴、新型出生前診断(NIPT)には、各領域を専門とする臨床医が外来を担当しています。
その他の領域は専門の医師が不在のため、依頼前に遺伝子診療科までお問合せください。 - <がんゲノム外来>
保険適用となる以下の方を対象としています。
①標準治療が終了または終了見込みの固形癌、原発不明がん、希少がんの方
②検査結果が判明し、検査後概ね3か月後においてもPSが0か1で化学療法を受けることが可能な方
主な診療実績
2023年度は、外来総受診数899組(2022年度833組)、新規受診数は420組(2022年度377組)の実績がありました。内訳は遺伝性腫瘍31%、出生前診断の相談が26%、がんゲノムパネル検査目的31%、難聴4 %、神経筋疾患3 %、その他5%でした。2020年度本格化したがんゲノムパネル検査目的での受診の割合が2023年度さらに増大し、受診者数も増加しました。また、保険収載された難病遺伝子検査項目の増加に伴い、様々な領域に受診者(「その他」に分類)も増加しました。近隣地域からの受診が多い傾向は変わりませんが、外都県からの受診もありました。ご挨拶
遺伝子診療科では遺伝に関する様々なご相談をお受けしています。「(自分もしくは家族が)遺伝する病気と診断された。」「こどもに自分の病気が遺伝しないか心配である。」「遺伝子検査を受けたい。」など、遺伝や遺伝性疾患に関する悩みや不安について、遺伝に精通する医師、看護師、臨床心理士がチームとなり、医療・心理両面からきめ細かく対応いたします。近年、分子遺伝学の急速な進歩により多くの疾患が遺伝子レベルで解明されており、染色体検査、遺伝子検査、遺伝子治療という形で、患者さんへ応用されつつあります。私たちは、適切な医学的情報をもとに、来談された方やそのご家族がご自身の問題を理解・判断し、より良い人生を歩むためのお手伝いをさせていただきます。どんなささいなことでも結構ですのでまずは遺伝子診療科のドアをたたいてみてください。スタッフ一同心よりお待ちしております。
遺伝子診療科 診療科長
竹下 啓