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形成外科
診療内容
形成外科では、主として体表面の形態異常(変形)を組織移植等の手術手技により再建し、症例によっては同時に機能の改善も計ることで、患者さんのより早期の社会復帰や社会適応を促す治療を行っています。形成外科で扱う疾患は多岐に渡りますが、当施設では形成外科のトレーニングを積んだスタッフがそれぞれの専門分野でチームを作り、これらの幅広い対象疾患の診療に対応しています。主な対象疾患
唇裂口蓋裂、Crouzon病・Apert症候群に伴う高度頭蓋顔面変形、頭蓋縫合早期癒合症、小耳症・耳介変形、手・足の先天異常、顎変形症、皮膚腫瘍(良性、悪性)、母斑(アザ)、血管腫、頭頚部がん・乳がん術後の再建、熱傷、顔面骨骨折、顔面軟部組織損傷、顔面神経麻痺、瘢痕・ケロイド、褥瘡、難治性潰瘍、眼瞼下垂、美容手術主な診療実績
2022年の手術件数は入院手術824件、外来(日帰り)手術1,161件でした。全国の大学病院においても有数の手術実績を誇ります。唇裂・口蓋裂治療(赤松・花井)
小児科、耳鼻科、矯正歯科、言語聴覚士とチームで診療にあたり、患者さん個々の状態にあった最善の治療を総合的に行っています。
頭蓋・顎顔面変形に対する治療(赤松・花井・角田)
顎変形症に対する上下顎骨切り術、小耳症手術、頭蓋縫合早期癒合症・顔面非対称に対する骨延長装置を用いた頭蓋骨・顎骨延長術、顎顔面インプラント法による顎顔面補綴(エピテーゼ)治療などを行っています。
自家組織による、乳がん根治術後の乳房再建手術を行っています。乳がん切除と同時に行う即時再建手術や2期的再建を行っています。当科は2013年7月よりエキスパンダー/インプラント実施施設の認定を受け手術を行っております。 頭頚部がん根治術後の再建、胸壁再建、頭蓋底再建、四肢の骨髄炎治療や露出骨面の被覆などを他科と協力して行っています。 顔面軟部組織損傷の治療、鼻骨・上顎骨・下顎骨・頬骨・眼窩などの顔面骨々折の手術を行っています。顔面骨々折の手術は非常に多く年間70例程を行っています。
乳房再建(今川・根本・角田)
マイクロサージェリー(遊離組織移植)による再建手術(今川・根本)
顔面外傷(赤松・角田)
熱傷、外傷後瘢痕拘縮、ケロイド治療
新鮮熱傷には保存的治療、植皮術を行っています。外傷後瘢痕拘縮には機能改善を目的とした瘢痕形成術を行っています。ケロイドに対しては内服薬、外用薬、ステロイド局所注射による保存的治療、外科的治療においては再発防止を目的とした放射線治療を併用する方法を用いて治療しています。
皮膚がん
基底細胞がん、扁平上皮がん、悪性黒色腫、ページェット病などの皮膚がんに対する根治的切除術および再建手術を行っています。
皮膚レーザー治療(河野)
Q-スイッチルビーレーザー(扁平母斑、太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性異物沈着症:保険適応、しみ:自費)、パルス色素レーザー(単純性血管腫、苺状血管腫、毛細血管拡張症:保険適応)、ロングパルスアレキサンドライトレーザー(脱毛:自費)、Nd-YAGレーザー(しみ、刺青:自費)、炭酸ガスレーザー(黒子など:自費)による治療を行っています。小児や広範囲の治療では全身麻酔での日帰り治療も行っています。
リンパ浮腫(根本)
がん治療でリンパ節郭清が行われた患者さんに多く、スーパーマイクロサージェリー (0.7mm以下の脈管などを扱う)を用いてリンパ管静脈吻合術を行っています。ご挨拶
形成外科とは? 皆さんは形成外科と聞いてどのような診療科だと思われますか?美容を思い浮かべる方が多いかもしれません。わたしたち形成外科医は、変形・欠損した組織の機能回復と患者様の社会復帰を目指した外科的リハビリテーションにより、患者さんのQOLの向上や早期社会復帰を目指している外科医です。形成外科では一般的に「美容外科」「再建外科」の2つの専門領域があります。「美容外科」ではそれ自体が病気とはいえないですが、それ自体がご自身QOLを著しく下げている身体の形状や皮膚などを治療していく領域です。また、再建外科では、外科先天性あるいは後天性疾患による、主に身体外表、軟部組織・硬組織または臓器の一部の含めた変形や欠損を機能的かつ形態的に再建修復を行う専門分野になります。わたしたち形成外科医は様々な科と協力して患者さんのQOLの向上・早期社会復帰のお手伝いを行っています。
形成外科 診療科長
赤松 正