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臨床腫瘍科
概要
当科は、抗がん剤や分子標的治療などのがん薬物療法を専門に行う診療科として、2025年度より新設されました。各専門の診療科との連携のもと、がん患者さんの治療成績の向上と生活の質の改善を目指し、地域におけるがん診療のレベルアップに貢献することを目標としています。また、東海大学医学部付属病院は、がんゲノム医療拠点病院として、がんゲノム医療の推進に努めています。がんゲノム医療とは、がんの根本的な原因である遺伝子変化を調べて、患者さん一人ひとりに最適な治療をご提案するという、個別化医療です。その第一歩として、標準治療終了後あるいは終了見込みの患者さんを対象に、数百の遺伝子変化を一挙に調べる「がん遺伝子パネル検査」を実施し、検出された遺伝子変化の特徴を解析することで、より効果が期待できる治療法や薬剤の選択につなげていきたいと考えています。
主な対象疾患
固形癌全般(特に頭頸部癌、消化器がんの化学療法に力を入れています。) がん遺伝子パネル検査は、あらゆるがん種を受け付けています。(標準治療終了後あるいは終了見込みの患者さんが対象)ご挨拶
がん遺伝子パネル検査は、これまでに全国で10万人以上の方がこの検査を受けていますが、現在もなお、施設間や地域間での実施状況には偏りが見られます。より多くの患者さんにこの検査の恩恵が届くよう、地域の医療機関の皆さまからのご紹介をお待ちしております。がん薬物療法の分野は日進月歩で、実際に今行われている治療は、多くの患者さんが考える従来の抗がん剤治療のイメージとは随分変わって来ています。分子標的治療の登場や、免疫治療の進歩で、副作用の少ない薬剤も増えてきていますし、副作用を抑える薬剤(支持療法)も以前より格段に進歩しています。入院が必要な化学療法もありますが、多くの治療は外来で行なっています(外来化学療法)。そのような中で、がん患者さんが仕事や生活と、治療を両立することは必ずしも難しいことではなくなって来ています。患者さんが、病気のことだけでなく、どうすれば生活も楽しみながら活き活きと過ごすことができるか、いっしょに考えていきたいと思っています。
臨床腫瘍科 診療科長
西田尚弘